薬用植物園

季節の花

ビワ 2018.12

2018120102.jpg(花:平成30年12月撮影)

学名: Eriobotrya japonica (Thunb.) Lindl.
科名: バラ科 Rosaceae
別名: ヒワ
英名: Japanese Loqua
中国名: 枇杷
生薬名:

枇杷葉(ビワヨウ)  使用部位:葉

 中国中南部原産の常緑高木です。ビワは果樹として広く栽培されていますが、栽培される系統は中国から伝わったものです。

 日本の山中にも野生種と思われる個体が見られますが、こちらは食味がよくなく、果実も小さいため食用にはされません。葉は裏面に繊毛が密生し、長さ20㎝、幅5㎝と大型で特徴的です。樹高は10m程に達します。当園では11月下旬ごろから枝先に白色の花を咲かせています。受粉は主に鳥媒花というメジロなどの鳥が花粉を運ぶことで行います。果実は翌年の夏に黄色く熟し食べることが出来ます。ビワの名前の由来は諸説ありますが、葉や果実の形が楽器の「琵琶(ビワ)」似ていることから付いたとされています。ちなみに琵琶湖の名前も湖の形を上下逆さにすると「琵琶」に似ていることから名付けられました。

 薬用として、消炎、鎮吐、排膿作用があり、葉を使用します。漢方処方では「辛夷清肺湯(シンセイハイトウ)」(構成生薬9味:石膏・麦門冬・黄芩・山梔子・知母・百合・辛夷・枇杷葉・升麻)等に配合され、鼻づまり、蓄膿症などの症状に用いられます。また民間的に葉を浴湯料として使い汗疹や湿疹の治療に用いる他、葉を炙り患部に当てることで難病や癌に効果があるとして用いられてきました。



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(果実:平成30年12月撮影)

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