薬用植物園

季節の花

セキチク 2017.12

20171201.jpg(平成29年12月7日撮影)

学名: Dianthus chinensis L.
科名: ナデシコ科 Caryophyllaceae
別名: カラナデシコ、コウアンナデシコ等
英名: China pink
中国名: 石竹
生薬名: 瞿麦(クバク)  使用部位: 地上部

 中国原産の二年性植物で、日本には古くに伝来し、平安時代から観賞用として栽培されています。「石竹(セキチク)」という名は、岩場に自生し、茎葉の見た目が竹に似ていることに由来します。草丈は30cm程で、茎には節があり、そこから葉を輪生させます。茎の先端に花をつけ、花弁は先が細かく裂け、色は紅色、淡紅色、白色などがあります。当園では8月の下旬から現在まで長く花を咲かせ続けています。

 セキチクは、日本で品種改良が盛んに行われており、多くの品種が生まれています。その中には、「三寸セキチク」、「五寸セキチク」などの系統があり、それぞれに園芸品種があります。そのほか有名な品種では、セキチクから改良された「常夏」、カワラナデシコとの雑種から改良された「伊勢撫子」などがあります。

 薬用として、清熱、利尿、破血、通経作用があり、地上部を使用します。漢方処方では「瞿麦散(クバクサン)」(構成生薬6味:瞿麦・芍薬・茅根・地黄・阿膠・地骨皮)等に配合され、血尿をともなう急性尿道炎、膀胱炎の症状に用いられます。一般用漢方処方などでは扱われておりません。



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(平成29年12月7日撮影)

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