薬用植物園
季節の花
シオン 2016.10
学名: | Aster tataricus L.f. |
---|---|
科名: | キク科 Asterceae |
中国名: | 紫苑 |
別名: | ノジオン、ニワジオン |
生薬名: | 紫苑 使用部位:根、根茎 |
日本、中国、台湾等に広く分布している多年性植物です。日本には、古い時代に中国から伝来したという説もあります。朝鮮では若芽を煮て乾燥させ野菜としても利用されています。日本では平安時代から観賞用として植えられていました。
お彼岸の時期にお墓参りに持っていく墓花として利用されていますが、乱獲の対象になってしまい環境省のレッドデータブックに絶滅の危険が増大している種として記載されています。阿蘇地方には、ところによって割と普通に見られることもあります。
葉は大きくギザギザした形の特徴があり、花は茎の先端で小さくまとまって咲かせます。キク科の花は特殊な作りをしています。一つの花にみえる部分は多数の花の集まりです。花を分解すると花びらや花床が一つ一つ花の作りをしていることが確認でき、それらが集まって一つの花のようになっている作りを頭状花序といいます。冬には地上部は全て枯れてしまいますが、春になるとまた新芽をだします。シオンは種子または根茎を伸ばして繁殖しますが、根茎の伸びが早いのでどんどん周りに広がり管理が難しくなります。対策として当園では囲いを作りその中で管理をしています。当園のシオンは9月の始めから開花したのですが10月に入ってから満開になったのでお彼岸の切り花に使用するには少し遅かったと思います。
薬用として、鎮咳・去痰の症状に根または根茎を使用します。漢方処方では「杏蘇散(キョウソサン)」(構成生薬12味:蘇葉・五味子・大腹皮・烏梅・杏仁・陳皮・桔梗・麻黄・桑白皮・阿膠・甘草・紫苑)に配合され、感冒や急性、慢性の気管支炎などで痰の出る激しい咳嗽に用いられます。
- バックナンバー
-
- バイモ 2019.03
- マンサク 2019.02
- ロウバイ 2019.01
- ビワ 2018.12
- リンドウ 2018.11
- ミシマサイコ 2018.10
- ヒシ 2018.09
- シシウド 2018.08
- オトギリソウ 2018.07
- アマチャ 2018.06
- スペインカンゾウ 2018.05
- ボタン 2018.04
- サンシュユ 2018.03
- スイゼンジナ 2018.02
- ハラン 2018.01
- セキチク 2017.12
- キク 2017.11
- ヒキオコシ 2017.10
- ヨロイグサ 2017.09
- コガネバナ 2017.08
- キキョウ 2017.07
- カギカズラ 2017.06
- カラスビシャク 2017.05
- ウスバサイシン 2017.04
- ローズマリー 2017.03
- セリバオウレン 2017.02
- スイセン 2017.01
- サフラン 2016.12
- ショウガ 2016.11
- シオン 2016.10
- コウホネ 2016.09
- キョウチクトウ 2016.08
- オニバス 2016.07
- ハス 2016.06
- テッセン 2016.05
- キュウリグサ 2016.04