薬用植物園
季節の花
ボタン 2018.04
(平成30年4月4日撮影)
学名: | Paeonia suffruticosa Andrews |
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科名: | ボタン科 Paeoniaceae |
別名: | 富貴草、富貴花、百花王など |
英名: | Peony |
中国名: | 牡丹 |
生薬名: |
牡丹皮(ボタンピ) 使用部位: 根皮 |
中国が原産の落葉低木で、日本、朝鮮半島、中国で主に栽培されています。当園では4月に入ってから花を咲かせます。大型の花が特徴的で、鮮やかな色の花弁と中央にある雄蕊と雌蕊の集まった姿がとても美しい姿をしています。葉は、寒くなると枯れて木部だけが残り、暖かくなるにつれて葉を出します。
ボタンはその美しさから花の王と呼ばれていて、中国を代表する国花の候補に挙げられています。古くから薬用や観賞用に栽培されていたとされ、日本には奈良時代、あるいは平安時代に渡来したといわれています。江戸時代になると、栽培が流行し、多くの園芸品種が作りだされました。現在は奈良県、長野県が主な産地となっています。
ボタンの栽培は従来では種子繁殖が主流でしたが、種子が出来にくかったり、成長が遅かったりと、とても流通は少なく中々一般には手の出せない代物でした。しかし、戦後に考案された「シャクヤク」を使った接ぎ木で、急速に普及していきました。シャクヤクは、ボタンと同属の植物で、接ぎ木をすることができます。シャクヤクの根の成長は、ボタンの根の成長と比べると早いため、接ぎ木をすることで早く丈夫に育てることができます。接ぎ木の方法は、まず8~9月頃シャクヤクの直線的に伸びた太い根を切り取ります。その後シャクヤクの根に切り口を付け、2~3個芽のついた新しいボタンの枝を切り口に挿し込みます。挿した部分をテープなどで縛り、固定すると接ぎ木苗ができます。現在でも接ぎ木苗が主流となっていますが、ボタンの世話を怠ると地下部のシャクヤクに負けて、地上部が枯れ、地下部から旺盛なシャクヤクがでてきて入れ替わってしまう現象があるそうです。
薬用として、抗菌、駆瘀血作用があり、根の芯を抜いた後の根皮を使用します。漢方処方では「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」(構成生薬5味:桂皮・芍薬・桃仁・茯苓・牡丹皮)等に配合され、月経不順、月経異常、月経痛などの症状に用いられます。
(平成30年4月4日撮影)
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