薬用植物園

季節の花

リンドウ 2018.11

2018110102.jpg(平成30年10月13日撮影)

学名: Gentiana scabra Bunge var. buergeri (Miq.) Maxim. ex Franch. et Sav.
科名: リンドウ科 Gentianaceae
別名: ツクシリンドウ、ササリンドウ
英名: Japanese gentian
中国名: 龙胆
生薬名:

「竜胆(リュウタン)」   使用部位: 根、根茎

 本州、四国、九州の丘陵および山地に分布する多年性植物です。当園では11月に鐘型で青色の花を咲かせます。高さは20~100㎝程になり、周りの植物に支えられるように立ち上がります。竜胆の名前の由来は、根が熊胆(ユウタン)より苦く、竜の胆のように苦いことからこの名がついたとされています。リンドウの花は見た目の美しさもあり、平安時代からリンドウをかたどった紋が盛んに使われてきました。中でも源頼朝が笹竜胆という家紋を使用していたことで知られていて、頼朝が幕府を開いた鎌倉市では、この「ササリンドウ」(リンドウの別名)を市章として制定しています。また熊本の県花にもリンドウが選ばれています。

 薬用として、苦味健胃、消炎作用があり、根または根茎を使用します。竜胆の基原植物はトウリンドウ(Gentiana scabra Bunge var. scabra)ですが、本種も同様に用いられます。漢方処方では「竜胆瀉肝湯(リュウタンシャカントウ)」(構成生薬9味:当帰・地黄・木通・黄芩・沢瀉・車前子・竜胆・山梔子・甘草)などに配合され、下腹部に熱感や痛みのある人の泌尿器の炎症などの症状に用いられます。



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(平成30年10月13日撮影)

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