薬用植物園

季節の花

ハラン 2018.01

201801_01.jpg(平成30年1月4日撮影)

学名: Aspidistra elatior Blume
科名: キジカクシ科 Asparagaceae
別名: バラン(馬蘭)
英名: cast-iron plant
中国名: 蜘蛛抱蛋
生薬名: 蜘蛛抱蛋(チチュホウタン)  使用部位: 根茎

 日本原産の多年性植物です。日照が少ない場所を好み、木の陰に自生しています。元々中国南部が原産と言われてきましたが、九州南部の宇治群島、黒島、諏訪之瀬島に野生種が確認されたことと、中国の野生種が確認されていないことから、現在ハランは日本原産の植物といわれています。同属植物に台湾に自生するアリサンハラン、ダイブハラン、ムシャハランあり、鹿児島などにもハランに比べ花が小さいことで異なるAspidistra insularisが自生しています。当園では毎年1月から花を咲かせています。葉は根茎からでる根出葉で、草丈が50cmを超え、幅も広く大型なのが特徴です。花は葉と同じく根茎から柄を伸ばし、葉の根元に蕾の状態で出てきます。蕾の状態だと外見は真っ白ですが、開花すると暗紫色の中身が現れ特徴的な見た目になります。 ハランは古くから利用されていて、弁当や寿司折りの間仕切りに使われています。弁当によく使われているプラスチックの間仕切りはこのハランの飾りつけを模したものです

 利尿、強心、去痰作用があり、浮腫、肺結核、喘息などに利用されるそうです。また、ハランの果実は黒焼きにしたものを煎じて飲むと肺病に、焼いて食べると小児のひきつけに効くといわれています。日本でも中国でも民間的にのみ利用されています。



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(平成30年1月4日撮影)

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