薬用植物園
季節の花
オトギリソウ 2018.07
(平成30年7月12日撮影)
学名: | Hypericum erectum Thunb. |
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科名: | オトギリソウ科 Hypericaceae |
別名: | トガリバオトギリ, キタグニオトギリなど |
英名: | No information |
中国名: | 小連翹 |
生薬名: |
小連翹(ショウレンギョウ) 使用部位: 全草、葉 |
日本、中国、朝鮮半島に分布する多年性植物です。国内では、北海道、本州、四国、九州の山地、丘陵地に自生しています。当園では7月の上旬から花を咲かせています。花は朝開いていますが、日差しが強くなる昼頃にはしぼんでしまいます。草丈は20~60㎝で、葉は葉柄がなく対生します。葉の中にはオトギリソウ特有の黒い油点があります。また、ミカン科の葉にも同じように油点があり、こちらは光に透かすことで見ることが出来ます。
和名のオトギリソウは漢字で書くと「弟切草」と書きます。弟を切るという物騒な名前ですが、これは平安時代の伝説に由来します。とある鷹匠の兄弟は、家伝薬である鷹の傷薬(オトギリソウ)をそれまで他人に知られないように秘密にしていました。しかし、弟がその存在を他人にばらしてしまい、怒った兄に斬り殺されたそうです。その伝説から弟切草と呼ばれています。
オトギリソウの生薬名「小連翹」とは別に、「連翹」と云うよく似た生薬があります。この「連翹」の植物名はレンギョウ(Forsythia suspensa (Thunb.) Vahl であり、落葉低木の果実です。全く別の植物ですがこのように似た生薬名になったのには理由があります。元々中国では連翹という名は、実は中国では昔も今も同じオトギリソウ科の「トモエソウ」のことを指していて、「オトギリソウ」を小連翹と呼んでいました。しかし日本に伝来した際に「レンギョウ」の果実を誤って連翹と呼んでしまい、日本では連翹は「レンギョウ」を指し、小連翹は「オトギリソウ」を指すようになりました。
薬用として、止血、鎮痛、収斂、利尿作用があり、全草または葉を使用します。漢方処方では用いられませんが、民間的に生の葉や茎の汁を切り傷、腫れ物などに外用します。また煎液を打ち身や捻挫の湿布薬に使用します。
(平成30年7月12日撮影)
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