薬用植物園

季節の花

ヒキオコシ 2017.10

20171001.jpg(平成29年10月4日撮影)

学名: Isodon japonicus (Burm.f.) H.Hara
科名: シソ科 Lamiaceae 英名 -
別名: エンメイソウ
英名: Isodon Japonicus
中国名: 毛葉香茶菜
生薬名: 延命草(エンメイソウ)  使用部位:地上部

 

 日本、朝鮮半島に分布する多年性植物です。国内では北海道西南部、本州、四国、九州、の山地の林縁、林内に自生しています。当園では10月~12月の間に花を咲かせています。花は小さく薄紫色で、内側に紫の斑点をつけます。葉は対生で、茎の断面が正方形のシソ科に多く見られる特徴をしています。また、ほんの少しスッキリとした匂いがする他に葉を噛むと非常に強い苦味が感じられるのが特徴です。

 ヒキオコシの名前の由来には故事が関係しています。その昔、弘法大師(真言宗の開祖)が山道を歩いている時に、道に倒れている一人の行者に出会いました。そこで弘法大師は近くにある草を搾り、行者に口に含ませました。すると行者起き上がり元気になったそうです。それから病人を「引き起こす」という意味でヒキオコシや、命を繋いだことに因み「エンメイソウ」という名前がついたとされています。

 薬用として、腹痛、消化不良、食欲不振の改善効果があり、地上部を使用します。小豆島にある寺院では数百年前からヒキオコシの栽培を行っており、腹痛や食あたりの治療に用いていたそうです。日本で一般的に広まったのは戦時中で、不足した苦味健胃薬のゲンチアナ、リンドウの代用とされてきたからだといわれています。日本の民間薬で、漢方薬には配合されず家庭薬に配合されます。



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