薬用植物園
季節の花
ウスバサイシン 2017.04
(平成29年4月5日撮影)
学名: | Asarum sieboldii Miq. |
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科名: | ウマノスズクサ科 Aristolochiaceae |
別名: | サイシン、カワリウスバサイシン |
英名: | Asiasarum Root |
中国名: | 薄葉細辛 |
生薬名: | 「細辛(サイシン)」 使用部位:根、根茎 |
日本、朝鮮半島、中国に分布する多年性植物です。国内では、本州、九州の山地に自生しています。春にハート型の葉の下に隠れるように暗紫色の花を咲かせます。花は花弁無く萼片が花をかたどっています。
ウスバサイシンという名前の由来は同属に比べて葉が薄く、根が細く辛いことから付けられたと言われています。ウスバサイシンが属するカンアオイ属は、日本で多様化が進んでおり、多くの固有種が自生しています。古典園芸植物として現在も栽培が盛んに行われており、葉の模様や花を観賞されています。これらのカンアオイの仲間は開発やマニアの乱獲により数がかなり減ってきているそうです。数の減少は生態系にも影響していると考えられます。ヒメギフチョウや近縁のギフチョウは、カンアオイやウスバサイシンを食草としている蝶で、こちらも現在絶滅が心配されています。食用として、若葉を茹で、直ちに冷水にさらした後、薄口だし醤油で食すと、さっぱりとした辛味と香りを楽しむことができます。また各種調味料を工夫することで異なる食味・食感を楽しむことができます。片面に衣をつけて天ぷらにしても良いと思います。株への負担を少なくするため、株ごとに一枚ずつ取るのが良いと思われます。
薬用として、鎮咳、去痰、解熱、鎮痛作用があり、根または根茎を使用します。漢方処方では「小青竜湯(ショウセイリュウトウ)」(構成生薬8味:麻黄・甘草・桂皮・芍薬・半夏・乾姜・細辛・五味子)等に配合され、自然の発汗がなく、水様の痰、水様の鼻汁、鼻閉、くしゃみ、咳嗽がある人の感冒等の症状に用いられます。
(平成29年4月5日撮影)
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