薬用植物園

季節の花

ハス 2016.06

flower_201606_01.jpg ハス(大賀蓮)の開花(2016年6月10日撮影)

学名: Nelumbo nucifera Gaertn.
科名: ハス科 Nelumnbonaceae
別名: ハチス
英名: Lotus
生薬名: 蓮肉(レンニク) 使用部位:種子(蓮肉)

 インドが原産で地下茎(蓮根)から、長い葉柄を持つ葉を出します。葉は水を弾く撥水性をもっており、濡れることがありません。葉の表面に落ちた水は表面張力により丸い水滴となり、葉の表面についた異物と共に落ちる作用もあります。この効果は名前があり、ロータス効果(ハス効果)と呼ばれています。今年は、園内で6月上旬には花が咲き始めましたが、日の出から花が開いていくので、時間帯を見計らって観察しないと完全に開いた状態の花を見るのは難しいです。花が見てみたいという方は、6月の上旬の朝~昼頃に綺麗な状態で見られると思いますので、お時間があるときにご来園ください。私が撮った写真は昼間に撮影したので少し花が閉じている状態です。

 薬用として、種子の蓮肉【レンニク(皮を捨て去って種子を乾燥させたもの)】は、胃の働きを正常にする健胃作用や精神安定作用があります。また、ほかの各部位も薬用として使われています。例えば、皮付き果実を蓮実(れんじつ)、蓮子(レンシ)、幼芽を蓮心(レンシン)、葉柄および花柄を荷梗(カコウ)、花のつぼみを蓮房(レンボウ)、葉を荷葉(カヨウ)、葉の基部を荷葉蔕(カヨウテイ)、種皮を蓮衣(レンイ)、雄しべを蓮鬚(レンシュ)、根茎を藕(グウ)、根茎の節を藕節(グウセツ)、でんぷんを藕粉(グウフン)と云います。

 ハスの種子は発芽能力をとても長い間保つことができます。1951年東京大学検見川厚生農場の落合遺跡で2000年前のハスの実が発掘されました。理学博士の大賀一郎(おおがいちろう)先生が発芽に成功され、古代のハスとして海外でも大きな話題となりました。このハスは大賀先生から名前をとり大賀蓮(オオガハス)と名付けられ現在は配布や販売などで全国各地に植えられており、当園の株もこれに由来します。

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