薬用植物園
季節の花
コウホネ 2016.09
(園内コウホネ開花日:2016年04月末)
学名: | Nuphar japonica DC. |
---|---|
科名: | スイレン科 Nymphaeaceae |
中国名: | 萍蓬草(ヒョウホウソウ)、水栗子(スイリツシ) |
漢名: | 河骨または川骨(コウホネ) |
生薬名: | 川骨(センコツ) 使用部位:根茎 |
日本、朝鮮半島原産の多年性の水生植物で、黄色い花を長く咲かせるのが特徴です。当園では4月末から開花し9月現在も花を咲かせています。管理も簡単なことから浅い池や睡蓮鉢などに植えられているのが見られますが、野生のコウホネはダム建設、沼地の埋め立てなどの理由で減少し、近い将来に絶滅の危険性があるとして熊本県をはじめ多くの都府県で絶滅危惧植物とされています。
コウホネは水から上に出す水上葉と、水の下にある水中葉があります。そして暖かくなると水面上に長い花柄を伸ばし黄色い花を咲かせます。果実は水中に種を多く含んだ液果を作ります。根茎は幅数cmと太く、側面から葉や根を出しながらどんどんと地中を伸びます。葉が落ちた後は独特の跡が残り、白い骨のように見えることが特徴です。この特徴がコウホネ(川骨)の由来となっています。
生薬名を「川骨(センコツ)」と言い根茎を縦割りにしたものを薬用として使用します。消炎、駆瘀血、止血、強壮の効果があり、打撲、浮腫、婦人病などに用います。漢方エキス剤では「治打撲一方」(構成生薬:川芎・川骨・桂枝・甘草・丁子・大横・撲樕)に配合されており、打撲による腫れや痛みに用いられます。民間でも使用されており、生の根茎をすり潰し小麦粉をあわせて練ったものを乳腺炎に外用するそうです。
(根茎を掘り出した写真)
- バックナンバー
-
- バイモ 2019.03
- マンサク 2019.02
- ロウバイ 2019.01
- ビワ 2018.12
- リンドウ 2018.11
- ミシマサイコ 2018.10
- ヒシ 2018.09
- シシウド 2018.08
- オトギリソウ 2018.07
- アマチャ 2018.06
- スペインカンゾウ 2018.05
- ボタン 2018.04
- サンシュユ 2018.03
- スイゼンジナ 2018.02
- ハラン 2018.01
- セキチク 2017.12
- キク 2017.11
- ヒキオコシ 2017.10
- ヨロイグサ 2017.09
- コガネバナ 2017.08
- キキョウ 2017.07
- カギカズラ 2017.06
- カラスビシャク 2017.05
- ウスバサイシン 2017.04
- ローズマリー 2017.03
- セリバオウレン 2017.02
- スイセン 2017.01
- サフラン 2016.12
- ショウガ 2016.11
- シオン 2016.10
- コウホネ 2016.09
- キョウチクトウ 2016.08
- オニバス 2016.07
- ハス 2016.06
- テッセン 2016.05
- キュウリグサ 2016.04