薬用植物園

季節の花

シシウド 2018.08

2018080101.jpg(平成30年8月1日撮影)

学名: Angelica pubescens Maxim.
科名: セリ科 Apiaceae
別名: ウドタラシ、タカオキョウカツ、ウマウド
英名: pubescent angelica
中国名: 毛当帰
生薬名:

唐独活(トウドクカツ)  使用部位:根茎

 日本、中国に分布する多年性植物です。国内では本州、四国、九州のやや湿った日の当たる山地に自生しています。草丈は1-2m程の大型の植物で、当園では7月中旬から花を咲かせています。花は、ほぼ同じ長さの花柄をもつ多数の花が放射状についている散形花序が、さらに散形花序を作っている形を成します。これを複散形花序といい、シシウドの他にもニンジンやハマボウフウなど、セリ科の特徴が見られます。

 シシウドの名前の由来は全体がウドに似ているが固く、イノシシ(猪)が食べるのにちょうど良い大きさであることからついたといわれています。ちなみにウドはウコギ科で、シシウドはセリ科と全く別の植物です。

 食用として、ウドのように若芽を食べることができます。ですが苦味が大変強いので塩漬けなどの下ごしらえを行う必要があるそうです。見た目も似ていることからウドの若芽と間違えることもあるようなので、事前に良く調べてから採取をしてください。

 薬用として、発汗、駆風、鎮痛作用があり、根茎を使用します。漢方処方では、ウド(独活)と同じように用いられ、「独活葛根湯(ドッカツカッコントウ)」{構成生薬9味:葛根・麻黄・桂皮・芍薬・生姜・大棗・甘草・唐独活(独活)・地黄}などに配合され、関節痛、しびれ、肩こりなどの症状に用いられます。



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(平成30年8月1日撮影)

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