薬用植物園

季節の花

キキョウ 2017.07

201707_01.jpg(平成29年7月7日撮影)

学名: Platycodon grandiflorus (Jacq.) A.DC.
科名: キキョウ科 Campanulaceae
別名: オカトトキ
英名: balloon flower
中国名: 桔梗
生薬名: 桔梗根(キキョウコン)  使用部位:根

 

 日本、朝鮮半島、中国(東北部)に分布する多年性植物です。国内では、北海道、本州、四国、九州の山野の草地で見られていましたが、減少傾向にあり絶滅が危惧されています。当園では7月に開花し10月まで花を咲かせ続けます。草丈は40-100cmと高くなります。当園のキキョウは阿蘇の草原に自生していたものに由来し、自生地では周囲の背の高い植物に寄りかかるように生育していました。したがって、園芸種のキキョウと比べて倒伏しやすくなっています。花は径4-5cmくらいで、星形の美しい青紫色の花を咲かせます。見た目が美しいことから品種改良も盛んに行われており、白色や桃色の花をつける品種や、草丈を低くした品種等が作られています。    

 万葉集の中に秋の七草を詠んだ歌があり、その中に「朝貌(アサガオ)の花」があります。この花はアサガオでなくキキョウを指しているという説が有力なようで、キキョウも秋の七草の一つと言われています。

 薬用として、鎮咳、去痰作用があり、根を使用します。漢方処方では「桔梗石膏(キキョウセッコウ)」(構成生薬2味:桔梗・石膏)に配合され、炎症による喉の痛み、咳嗽等の症状に用いられます。韓国ではキキョウの根を食べる習慣(韓国語ではトラジといい、根を塩漬けにして食べる)があるそうで、風邪の予防効果があるようです。そのためキキョウの消費が多いことから値段が高騰しているそうです。

201707_ 02.jpg(平成29年7月7日撮影)

PAGE TOP