薬用植物園
季節の花
カギカズラ 2017.06
(平成29年6月8日撮影)
学名: | Uncaria rhynchophylla (Miq.) Miq. |
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科名: | アカネ科 Rubiaceae |
別名: | カラスノカギズル |
英名: | Fish hook vine |
中国名: | 鉤藤 |
生薬名: | 釣藤鈎(チョウトウコウ) 使用部位:とげ(鉤) |
日本、中国南部に分布する常緑蔓性植物です。国内では本州の千葉以南、四国、九州の山林に自生しています。分布地は広範囲にありますが一部都府県では絶滅が危惧されているようです。当園では今月5日から開花しています。葉腋から花柄を伸ばし、先端に白いポンポンのような球形の花序を作ります。
そしてこの植物の大きな特徴は釣り針のような形をしたとげです。このとげは木に引っ掛けて蔓を這わせるために側枝が変化したものです。見たところ痛そうな印象がありますが、実際に触ってみると柔らかくできていることが分かります。全長は10m以上にも達し、木に覆いかぶさるので林業の方からは厄介な植物と思われているそうです。
京都市にある松尾大社にはカギカズラの野生地があるそうでこちらは市の天然記念物に指定されているそうです。理由としては、気象条件からこの植生が分布の北限と考えられ、植物地理学上の価値が高いからだそうです。
薬用として、血管を拡張し高血圧を改善する作用があり、とげを使用します。漢方処方では「釣藤散(チョウトウサン)」(構成生薬11味:釣藤鈎・菊花・石膏・陳皮・麦門冬・半夏・茯苓・人参・防風・生姜・甘草)等に配合され、高血圧症、自律神経失調症・神経症・更年期障害等の症状に用いられます。漢方ではとげを薬用として使用しますが、他の部位にも同じ成分が含まれており、含量がとげに比べ高いかどうかという点での比較はともかく、とげにのみ特異的に含まれているわけではないようです。
(平成29年6月8日撮影 釣り針のようなとげ)
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