研究設備紹介

円二色性分散計 (日本分光 J-720)

img_equip12.jpg

平面偏光は振幅の等しい左及び右円偏光からなり、光学活性物質中では、この両円偏光の屈折率すなわち速度が異なるために、通過中に位相差を生じ、偏光面の回転が起こります。左右の円偏光が異なった割合で媒体に吸収されると、透過光は楕円偏光となり、この不等吸収の現象を円二色性( CD )と呼び、楕円性θによって表されます。また、吸収の度合いの相違と左右円偏光の透過速度が重なって同時に起こる現象をコットン効果と称します。このCDのコットン効果は、蛋白質の変性による高次構造を鋭敏に反映します。

CD測定は、糖、蛋白質及びその他の光学活性体の構造に対する有用な情報を与えます。さらに、光学活性体ではない物質が高分子物質などと相互作用することによりキラリティーを誘起した場合にも、その誘起CDを測定することにより、有用な情報が得られます。

旋光分散及び円二色性の測定技術の急速な進歩は、分子の絶対配置、配座解析及び反応速度などの研究に有力な手段として応用されています。

この装置のマニュアルは こちらから

お問い合わせ

薬学部 薬剤学研究室 末永綾香 内線4153