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杉本 幸彦教授 プロフィール

履歴

昭和40年
11月20日
京都市上京区(第二日赤病院)で産まれる。 祖父、父ともに薬剤師。
杉本 幸彦教授
昭和45年~ 清和幼稚園
当時、京都のあちこちにあったお寺の幼稚園ですが、今はなくなってしまい、少し寂しい気持ちです。
昭和47年~ 京都市立翔鸞(しょうらん)小学校
毎日、北野天満宮の森(現駐車場)で野球をしていました。牛乳瓶の蓋やスーパーカー消しゴムも集めました。文化祭では命を賭して人間に火を与える「プロメテウス」役を熱演したのを覚えています。
昭和53年~ 京都市立衣笠中学校
毎日、北野天満宮の参道を抜けて金閣寺の裏まで通っていました。休み時間は汗だくでサッカーに明け暮れていました。2年の担任、金綱先生は実は世界的な藻類の生物学者でした。思えば先生の自宅にあった顕微鏡を見て、科学者の原点を垣間見たような・・。
昭和56年~  京都府立朱雀高校
2年の秋、英語の弁論大会に出て、プレゼンの難しさの洗礼を受けました。当時は英語のプレゼンが当然の職に就くとは考えてもみませんでした。化学IIで学んだアセチルサリチル酸が解熱鎮痛剤として働くことを知り、何故こんな単純な化合物が発熱と痛みをとるのだろう、と不思議に思いました。
昭和59年~ 京都大学薬学部
薬学硬庭部に入り、1-2回生はほとんどアルバイトとテニスばかりしていました。翠川先生の病理学、山科先生の生化学、市川先生の衛生化学は楽しいものでした。学生実習のときに、衛生の先輩がみなパワフルなことに驚き、またプロスタグランジンを研究していると聞いて、衛生に興味を持ちました。
昭和63年~ 京都大学大学院薬学研究科修士課程
「網膜特異的に発現するグルタミン酸高含有タンパク質の構造と機能」 衛生化学教室(市川厚教授、現武庫川女子大)に配属し、八浪公夫先生(現JT研究所)の指導の下、網膜に特異的に発現しグルタミン酸高含有タンパク質の構 造と機能を調べました。当時の衛生化学教室は、タンパク質精製全盛の時代で、先輩方と生化学的手法や概念を共有しながら、分子生物学の基礎を習得しまし た。このタンパク質の機能に迫ることは叶わなかったのですが、この仕事は、初めての筆頭著者の論文としてPNASに掲載されました。後に、このタンパク質 はcGMP依存性チャネルのサブユニットであり、cGMPホスホジエステラーゼやグアニル酸シクラーゼなどのcGMPシグナル系蛋白のScafoldとし て機能することが示されました。(Ko¨rschen et al. Nature 1999)
平成2年~ 京都大学大学院薬学研究科博士後期課程
「プロスタグランジンE受容体の構造と機能」 上記の仕事が一段落した1991年秋、京都大学医学部の成宮周先生がトロンボキサンA2受容体のcDNAを単離したことを聞きました。「これをもとにプロ スタグランジン受容体cDNAを単離しよう」という構想が浮上し、根岸学先生(現京大生命科学研究科)をリーダーとして、分子生物学のできる実働部隊とし て私に白羽の矢が立ち、成宮研との共同研究がスタートしました。当初はなかなか思うように進まず、先生方をやきもきさせましたが、約1年後、プロスタグラ ンジンE受容体(EP3)のcDNAを単離しました。この際、同時にC末端構造の異なるアイソフォームを単離し、さまざまな性質が異なることを発見しまし た。次いでEP4、EP2、EP1などの他のサブタイプ、FP受容体のcDNAを単離して構造と機能を明らかにしました。これらの成果をもとに、平成6年 に博士(薬学)の学位を授与されました。
平成4年~ 京都大学薬学部助手
「プロスタグランジンE受容体の発現細胞の同定」 PGE受容体の各サブタイプが、どのPG作用(発熱や痛みなどの)に関与するのかは不明でした。私は、受容体と機能の対応を調べるには、各サブタイプが生体内のどの細胞に発現するのか、調べるのが早道だと考え、医学部脳形態の重本隆一先生(現生理研)に師事し、In situ hybridizationを導入し、脳神経系、消化器系、泌尿器系、生殖器系など各組織の受容体発現を調べました。
平成9年~ 京都大学大学院薬学研究科助教授
「プロスタグランジンE/F受容体の生理的意義の解析」
再び成宮研・市川研の共同研究として、8種類のPG受容体欠マウスを作成するプロジェクトに参画し、EP2、EP3、EP4の各PGE受容体、FP受容体のノックアウト作成を担当、その表現型解析を指揮しました。これらの研究から、PGは我々の思っていた以上に生体にとって必須の役割を果たすことがわかりました。
平成12年~ 米国ペンシルベニア大学医学部客員教授(Jim Eberwine's Lab)
「シングルセル分子生物学の修得」
文部省在外研究員として1年間、米国留学しました。EberwineはT7ポリメラーゼ増幅の考案者であり、シングルニューロンのマイクロアレイ解析を実践していました。Eberwine教授の好意により、シングルセルRNA増幅のノウハウを習得し、EP3による発熱メカニズムの解析に応用しました (Tsuchiya et al. 2008)。
平成13年~ 京都大学大学院薬学研究科助教授(准教授)
「受容体を介したプロスタグランジンの作用発現メカニズムの解析」
生体内のプロスタグランジン受容体の発現は非常にまばらだったので、その標的細胞でどういった分子変化が起きているのか調べるのは困難でしたが、上記の僅少細胞発現プロファイル法を用いて、PGの作用発現メカニズムや新たな分子標的が明らかとなってきました。
平成21年~ 熊本大学大学院医学薬学研究部教授 現在に至る
「プロスタグランジン受容体による生体調節機構に関する生化学的解析」
熊本大学の新・薬学生化学の新しい環境で、新たな発想と出逢うことでこれまでのプロスタグランジン受容体研究を発展させ、さらに新しい研究領域を創造していきたいと思っています。

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受賞

平成7年 日本薬学会近畿支部奨励賞
「プロスタグランジンE2受容体の局在と機能」
平成11年 日本薬理学会学術奨励賞
「E型およびF型プロスタグランジン受容体の生理機能解析」 
平成16年 日本薬学会創薬ビジョン部会賞受賞
「創薬ターゲットとしてのプロスタグランジン受容体の分子基盤に関する研究」
平成17年  日本生化学会奨励賞
「プロスタグランジンE受容体全4種とプロスタグランジンF受容体の構造と機能の解明」

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研究テーマ

生理活性脂質とオータコイドの生理学、炎症とアレルギー、シングルセル分子生物学


所属学会

日本生化学会、日本薬学会、日本薬理学会、日本分子生物学会


家族

妻、娘、息子 各1人


趣味

テニス、旅行、スポーツ鑑賞


モットー

自分は今何故ここにいるのか、そのために何をするべきか、考える姿勢が大事だと思います



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学会活動等

平成21~25年 日本脂質生化学会幹事
平成12~14年 日本薬学会和文誌「ファルマシア」アドバイザー日本薬理学会代議員
平成12~14年 日本薬理学会代議員
平成10~ 日本薬理学会学術評議員
平成10~21年 日本薬学会近畿支部委員日本薬理学会代議員


熊本大学大学院生命科学研究部
薬学生化学分野

〒862-0973
熊本市中央区大江本町5-1
ysugi(*)kumamoto-u.ac.jp
(*)を@に置き換えてご利用ください