はじめに

杉本幸彦教授  薬学生化学分野は、平成21年4月に従来の薬学生化学分野と細胞機能分子制御学分野を統合してスタートしました。ラボ の在籍者は、杉本(教授)、土屋(講師)、稲住(助教)の3名のスタッフ、研究員1名、秘書1名、大学院生・学生18名、計23名です。

 分野主任の杉本は、平成21年3月までは京都大学薬学部生体情報制御学分野に在籍し、プロスタグランジンとその受容体による生体機能調節の研究を行ってきました。アスピリンがどうして多彩な作用を発揮するのか、その標的分子・プロスタグランジンの作用発現メカニズムは何なのか?という単純な疑問が研究のモティベーションとなっています。これからは炎症やアレルギーなどの疾患、あるいは生体に不可欠の生理プロセスごとにプロスタグランジン受容体の果たす役割やシグナル伝達機構を明らかにし、さらには受容体やシグナル分子を標的とした創薬研究を展開することで、最終的にはアスピリンを超えるような薬の創成に繋げることを目標にしています。

 現在、薬学生化学分野での研究内容は、遺伝子欠損マウスやゼブラフィッシュ、培養細胞を用いたプロスタグランジン受容体による生体調節研究(杉本)、食道癌におけるマイクロRNAの役割に関する研究(土屋)に大別され、それぞれ炎症・アレルギー、悪性上皮癌に対する新たな創薬ターゲット(タンパク質、RNA、代謝物、遺伝子)を提示することを目指しています。(研究内容の頁をご覧ください)これら研究の二本柱に共通することは生化学的アプローチを重視していることであり、これが薬学生化学分野の最大の特徴です。具体的には、インビトロを中心とした生化学・分子生物学的な手法を基本とし、研究目的に応じて、遺伝子ノックアウト個体を解析したり、緑色蛍光タンパク質を用いて受容体を可視化してその細胞内局在を同定したりしています。背景となる学問領域は、免疫学、細胞生物学、神経科学、生殖生理学、発生学といった広範な生物学領域であり、研究内容に応じてそれぞれの専門領域を猛勉強することになります。

 肥後・熊本の地からオリジナリティーの高い研究成果を世界に発信し、グローバルに活躍できる研究者を育成することを目標としています。どうぞよろしくお願いいたします。

 こんな薬学生化学分野の研究に興味を持たれた方、どうぞ私たちのホームページをご覧ください。直接ラボに話を聞きに来て下さい。歓迎します。

平成26年2月

薬学生化学分野 教授 杉本幸彦

はじめに


熊本大学大学院生命科学研究部
薬学生化学分野

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