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熊薬ものがたり

 本書を上梓する目的は、単に熊薬卒業生の企業や大学等での研究の成果を広く公表し宣伝することだけが目的ではありません。高校生や薬学を学ぶ学生に、そして社会の方々に、現在、熊薬で行われている研究の一端を紹介し、薬学(熊薬)に対する理解を深めていただくことも目的としています。そして、若い人々には、将来薬学の研究者や優れた薬剤師となる夢や大志を抱いて欲しいという願いもこめています。

 ご承知のように、薬学は、物理、化学、生物を基礎科学とする総合科学です。もちろん、医学、情報学、統計学、疫学を始め、人文科学や社会科学なども薬学をより深く理解するために重要です。熊薬の教育・研究は、20の基幹となる研究分野に加えて、3つの寄附講座(研究分野)(企業からの寄附金により作られている講座)と、熊本大学の発生医学研究所や生命資源研究支援センターから8つの研究分野の合計31の研究分野からなる我が国でも最大の薬学の教育・研究組織の一つです。この中には、世界水準の研究を展開している拠点として文部科学省が採択する「グローバルCOE」に所属する研究者も多く含まれています。このような中で、医薬資源の探索、新規化学物質の構造決定、新規合成法、分析法、新しい作用の発見や評価、作用の仕組みの解明、剤形や投与の仕組み、体内での行方、作用の個人差、のことなどなど、また、薬の作用対象となる病気や難病治療薬の開発、さらには、生命現象の一つである臓器の発生や研究技術として不可欠な遺伝子操作の技術や実験動物などなどについて、先端の研究が行われています。第3章は、熊薬で現在行われている研究の一端を、分野ごとに図を交えながらわかりやすく紹介したものです。

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