教育部長メッセージ

「薬学の未来を担う若人よ来たれ」
薬学教育部長 大塚 雅巳
薬学教育部長
 今、全国の大学は変革期のただ中にあります。国立大学は社会から大きく期待されていると同時に不断の改革が求められています。近年、この動きが急速化しています。内閣総理大臣を議長とする国家戦略会議で大学改革が議論され、2012年6月に「大学改革実行プラン」が文部科学省のサイトに公開され、大学改革のロードマップが示されました。これを受け、「国立大学ミッション再定義」が行われ、医学系、工学系、教育学系ではすでにヒアリングが済んでいます。薬学系のミッション再定義はこれから行われるわけですが、熊薬の特色、強み、地域や社会から期待される役割等をアピールしていかなければなりません。

 折しも2012年10月、日本学術振興会の「博士課程教育リーディングプログラム」に本学大学院医学教育部と薬学教育部が中心となって申請していた「グローカルな健康生命科学パイオニア養成プログラムHIGO」が採択になりました。  
本プログラムは竹屋元裕生命科学研究部長をプログラム責任者、粂 昭苑発生医学研究所教授をコーディネーターとし、本学大学院の医学教育部、薬学教育部に社会文化研究科が加わり、熊本県、熊本市、産業界、経済界と連携して大学院の研究、講義、行政・企業・海外インターンシップを行うという大規模かつ画期的なものです。健康増進と疾病対策のために最新の知見と科学技術を活用する次世代の医療人・専門的職業人を育成するもので、海外、特にアジアとの連携を重視し、グローバルなリーダーを熊本から育てていく点に特色があります。課題名の「グローカル」とはグローバル(地球規模)とローカル(地域的)を合わせた言葉で、熊本の地で世界に直結した大学院教育を行うもので、2012年10月に採択された直後からすでに始動しています。
 学部の枠、大学の枠を超えた大きな取り組みである本プログラムの詳細は「HIGOプログラム」のサイト(http://higoprogram.org/)をご覧いただければと思います。この「博士課程教育リーディングプログラム」は上述の文部科学省「大学改革実行プラン」のなかの「グローバル化に対応した人材育成」の項に挙げられているもので、今後このプログラムを発展させていくことで大学改革に大きく貢献できるものと考えております。

 我が国を代表する研究拠点大学を掲げる本学にとって、大学院における活動が研究推進力の中核になると考えております。これからの薬学においては創薬研究と育薬研究がバランスよく発展していくことが重要でありますが、本学の拠点形成プロジェクトのなかで薬学系大学院は「熊本大学発の画期的な新薬創製研究拠点の形成」「個別化医療をリードする育薬フロンティアセンター研究拠点形成」、すなわち創薬と育薬の両方の拠点に採択されています。
 薬学系教員は、Nature や Molecular Cell といった一流の学術雑誌での研究論文の発表や新学術領域研究や科学研究費補助金基盤 (A) を初めとする多くの外部資金を獲得し、科学研究費補助金においては獲得件数、獲得額ともに全学のトップの座を占めております。国際共同研究も多く行われ、インドネシアのSam Ratulangi大学との海洋天然物研究、ネパールのポカラ大学、スーダンのハルツーム大学及び植物研究所との薬用資源研究をはじめとし、米国ジョージア州立大学、米国コロラド大学、英国オックスフォード大学など国際共同研究には枚挙にいとまがありません。

 こうした熊薬の研究成果が「薬を創り、薬を育て、生命を衛る」と題して、東京霞が関の文部科学省の「情報ひろば」にて2013年8月1日から11月中旬まで展示されます。「文部科学省 情報ひろば」は登録有形文化財である旧文部省庁舎を活用した文部科学省のミュージアムであり情報発信スペースです(http://www.mext.go.jp/joho-hiroba/)。
 これは研究内容をパネルに展示して見ていただくだけではありません。ディスプレイに触れると資料と映像を組み合わせたものが3Dコンピュータグラフィックスで表示され、インタラクティブな演出により音と映像で研究成果を紹介するものです。東京においでの際は是非お立ち寄りください。

 熊薬は、街中とは思えないほど緑豊かな楠の大木に囲まれた独立キャンパスに、他に類をみない数々の自前の施設を保有しています。この豊かな伝統と進取の気風に富む熊薬大江キャンパスで、“新しいクスリを創り育む夢”をかなえてみませんか。