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2013年12月
カワミドリ (Agastache rugosa (Fisch. et C.A.Mey.) Kuntze)
シソ科(Lamiaceae)
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カワミドリは、生薬、カッ香(かっこう)の代用薬・同効生薬として、日本・中国などで用いられている薬用植物です。民間薬では、地上部を、風邪の解熱、頭痛、消化不良、食あたりによる腹痛、吐き気、暑気あたり等に用います。カッ香の原植物はインドネシア原産のパチョリ(Pogostemon cablin の地上部)を用い、胃腸が弱い体質で、いわゆる夏かぜ、また夏に冷たい飲み物、生ものの摂り過ぎで、胃腸が冷え、機能が低下しておこる下痢、食欲不振などの胃腸疾患や全身倦怠に用いる「カッ香正気散」に配合されています。
カワミドリの精油成分として、"methyl chavicol (chavicol methl ester, Estragole), anisaldehyde, p-methoxycinnamic aldehyde"などのフェノール類(フェニルプロパノイド誘導体)が主成分で含まれています。
嘔吐下痢症が流行っています。もし、嘔吐下痢に罹ったら「五苓散(ごれいさん)」を、すぐ飲んで下さい(頓服)。子供は、大人の1/3位、乳児でも1/5位、大人の一回分を飲めば、症状が軽減します(1時間〜2時間おきに飲む)。
我が家の子供達4人も、これでひどい目に遭うことなく成長しました。大人になっても、また孫達も「五苓散」で嘔吐下痢が軽減しているようです。五苓散はウイルスを殺す作用はほとんど無いかもしれませんが、体内の水を調整してくれる作用(利水作用)があります。最近、礒濱洋一郎先生(元熊本大学薬学部、現東京理科大薬学部応用薬理学教授)が、生体内の水チャンネルのAQ-4に作用することを明らかにしています。
風邪ウイルスのたくさんいる病院にすぐ行くのではなく、家でセルフメディケーションをするために、一箱購入し、薬箱に入れておくと重宝します。
五苓散は、酒を飲んだ後に起こる「二日酔いの喉の渇き」にもよく効きます。
寒い時期、"カレー(カリー)"を食べて、身体を温め、胃腸を元気にし、風邪にかからない身体を作りませんか? 日本はカレーに入れるスパイスが貴重だったので、炒った小麦粉を加え、日本式のカレーを作りました。日本人はカレーライス(ライスカレー)が大好きですね。カレーを食べて心身を元気にし、寒い冬を乗り切って下さい。
カレーよりも身体を温めてくれるのが"「鍋料理」"です。鍋料理は、いろんな食材を入れ、熱をかけると出来上がります。野菜、肉、魚介類の旨味がたっぷり出て美味しいですね。残った汁に御飯を入れてオジヤにするのも最高です。身体も心も温めて、風邪、ノロウイルス等に負けない心身を作って下さい。
ご自由にご利用ください!
"2013年 12月カレンダー クチナシ"
"2014年 1月カレンダー サフラン"
写真(花:2013年12月2日&25日 薬用植物園) (資料,写真・文章責任: 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター
Medicinal Plants Eco-Frontier Center(Medicinal Botany and Ethnobotany ) (薬用植物・生薬学分野)
矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種)
(変更日:2013.12.9)
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