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今月の薬用植物
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2013年10月

ヒキオコシ  (Isodon japonicus Hara)
シソ科(Labiata (Lamiaceae))


今月の入れ替えも遅くなりました。すみません。ようやく休みが取れたので入れ替えています。
今月はヒキオコシ(引き起し)です。阿蘇の草原でも咲いています。「引き起こす」、誰が誰を?? その昔、弘法大師が山道で倒れていた行者に、ヒキオコシのしぼり汁をのませ、倒れていた行者が元気になって起き上ったという話しからきているそうです。倒れた人を引き起す力があるので「ヒキオコシ」、人の命を助ける作用があるので「延命草」と言われています。
 ヒキオコシの地上部を乾燥したものを、食欲不振、消火不良、腹痛、健胃等に民間薬として用います。味はすごく苦いので、口に含むだけで、唾液、胃酸、胆汁などの消化液が出ますので、消化を助けてくれます。富山などではクロバナヒキオコシが有ります。これも同じように使われます。
「苦い」ニガウリのようなもの、「酸っぱい」梅干しのようなものは、消化液をたっぷり出してくれます。消化器系が弱った時に、一緒に食べると消化を助けてくれます。

12日(土)阿蘇青少年の家で、先生方の免許更新の講座を開きました。午前中は座学、午後から約2時間の観察会でした。リンドウ(熊本県の県花)、ワレモコウ、アキノキリンソウ、ゲンノショウコ、サイヨウシャジン等が咲いていました。また、草原の牛が食べない草、植物多様性を替えてしまう冬も緑の牧草なども観察しました。少し黄砂が飛んで来ていましたが、久住連山、阿蘇中岳、高岳、根子岳を見ながらの観察会でした。60名の先生方が参加され、講師は、いつもの、佐藤先生、香月先生、渡邊君(園の技術職員)、私の4名で15名ずつに分かれて行いました。コースは結構アップダウンがあるので、普段運動していない先生方はきつかったようです。しかし、美味しい空気を吸いながらのフィールドでの観察は楽しいとのことでした、一つでも子供達(生徒さん)に伝えていただければと期待しながら、3年目を迎えます。

 10/10(木)キノコ中毒による死亡事故がありました。熊本でキノコによる死亡事故は初めてのようです。 原因のキノコはドクツルタケだそうです。(キーワード:ドクツルタケ&厚生労働省で検索して下さい) 大分と熊本の県境で採取、食用のオトメノカサと思い込んで炒めて食べ、亡くなられました。
今年はキノコが豊作のようです。
1)傘が開いていない小さいものは、特に間違えやすいので、注意して下さい。
2)食べることが出来るキノコでも、いろんなものが付着している可能性があります、それによる腹痛等も起こりますので、食べ過ぎには注意しましょう。
皆さん、何らかの食物アレルギーを持っています、
美味しく、楽しく、少しでも安全な食事を!!

寒暖の差が激しいと、夏バテ同様に「胃腸を弱らせ」<秋バテ>になります。また、乾燥しますので、肺の疾病、皮膚の乾燥による疾病も増えます。ケアーして、心身をご自愛下さい。

文部科学省HP「子ども霞ヶ関見学デー」動画:熊本大学とくすりの世界を体験してみよう!。  見てみて下さい。私の滑舌が良くないので、テロップが入っています。クマモンも出て来るよ!!

ご自由にご利用ください!
"2013年 10月カレンダー 阿蘇トウキビ"
 "2013年 11月カレンダー ヒキオコシ花"


写真(花:2013年10月9日 薬用植物園)
(資料,写真・文章責任: 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター
Medicinal Plants Eco-Frontier Center(Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野) 
矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種)
                       (変更日:2013.10.14)
 
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, from 8, May, 2004



 
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