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今月の薬用植物
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2013年3月

メハジキ(Leonurus japonicus Houtt.)
シソ科(Laminaceae)


 メハジキは、九州から四国の日当りの良い草原、道端に自生すると言われていますが余り見かけません。名前の由来は「子供が短く切った茎を瞼に貼って目を開かせて・または飛ばして遊んだことから」となっています(目に入ると危険なので注意して遊んで下さい)。地方名には「ヤクモソウ、マバタキ、ツチウリ、ノノハリ、メッパリ」等があります。メハジキは秋の季語です。花は5月末〜9月頃まで咲いています。薬用としては8月頃の開花期に地上部を刈り取り乾燥し用います。
 薬用としては、神農本草経の上品に「じゅうい」という名前で記載されています。民間薬で産後の止血、浄血、月経不順、めまい、腹痛などに乾燥した益母草(やくもそう)5〜10gを水500〜600ccにて煎じ、半量とし、それを3回に分けて食間(食事と食事の間、例えば朝食と昼食の間ですので10時頃でしょうか)に服用します。妊娠中や月経時の出血の多い人は避けるように書かれています。また、血圧降下作用が有ると言われています。種子はジ ュウイシといい、利尿、解熱に用いられています。成分としてはアルカロイド(leonurine)、フラボノイド(ルチン)等の報告があります。
 漢方処方では、更年期障害などに用いるキュウ帰調血飲(きゅうきちょうけついん)(当帰、川キュウ、熟地黄、朮、茯苓、陳皮、烏薬、牡丹皮各2g、益母草、大棗各1.5g、乾姜、甘草各1g)に配合されています。

 今年は2月末にアンズが五分咲きになりました。レンギョウは蕾が硬い状態です。サクランボも花を咲かせています。サンシュユは満開です。正門横の3本の梅の木も1本は少し赤みを帯びた花が終わり、ピンクの枝垂れウメ、花の白いウメが満開です。博士・修士論文の発表会も終り、6年生は2、3日の国家試験の受験のために福岡へ移動しています。全員が合格してくれることを味噌天神に祈願してきました。
 研究室(植物学分野)の卒業生は6年生が1名、博士後期課程(ネパールからの国費留学生)が1名です。ネパールからの国費留学生は嬉しいことに武田科学振興財団より1年間の研究助成を頂けることが決まり、2014年5月までは日本で研究を続けることになりました。また修士1年生1名(中国からの留学生)、研究生1名が4月から新しく研究室に加わります。植物と同じように賑やかになります。よろしくお願いします。
  

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写真(花、実:2011年3月 薬用植物園にて)
(資料,写真・文章責任 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター)
Medicinal Plants Eco-Frontier Center(Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野) 
矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種),
                            (変更日:2013.3.1)
 
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, from 8, May, 2004



 
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