熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
バックナンバー薬用植物園

2004年11月

つるにんじん (Codonopsis lanceolata)
ききょう科 (Campanulaceae)


『爺そぶに赤とんぼ留まり弓の月』(河童)

今月はキキョウ科のツルニンジンです.キキョウの花に似ていませんか?、10/3に阿蘇の杉林の中で見つけました.花を一度見ると忘れませんね.方言で”チソブ、ジソブ〔爺ソブ)”などと言います.薬用としては、根を去痰に用います.生薬名は”羊乳(ヨウニュウ)”と言います.根は薬用ニンジンに似ています.今年8月のサイヨウシャジン及びそれに似たツリガネニンジン(トトキ)、平成11年7月のキキョウも薬用ニンジンの根に良く似ています.日本では見かけませんが、外国で、これらの根を使って薬用ニンジンに似せて偽物を作り、売っていることがあります.熊本では今春トウキを薬用ニンジンとして苗屋で売っていました.葉が似ているのでしょうか? ツルニンジンの根の成分はサポニン(上右の構造式)です.サポニンを含む植物〔キキョウ、チクセツニンジンなど)は去痰、せき止め等の作用があります.しかし、サポニンには溶血性があり、毒としても扱われます.多量の使用は避けて下さい.
 10月19日のニュースで、ウコンを飲んでいて亡くなった方がついにでました.お悔やみを申し上げます.現在飲んでいる方で、例えば肝機能の値が高いので飲み始め、数値が下がり、体調も良くなってきたという方は、そのままの量か、少し量を減らされることをお勧めします.調子が良いからといって、量を増やす人が多いのですが、お勧めしません.減らして、それでも調子が良ければ、自分の身体で対応できるようになってきたわけですから、徐々に少なくして、最終的には、飲むのを止めるべきです.
 機能性食品、ハーブ、薬用植物、薬味(香辛料等を含む)は、XX薬と『薬』の字が入った薬用植物が用いられます.『薬』とつきますと、身体に対しての作用が、普通の食品になるものより強いわけです.これを毎日多量に飲食すると、身体が機能性成分を代謝出来なくなり、身体に毒を入れるような状態になります.(薬は多く摂ると毒になります)特にドリンク剤等での”多量の摂取は注意”して下さい.
 NPO法人"阿蘇花野協会”が現在申請中です.何をするNPOかと言いますと、阿蘇に花野を作ろう、阿蘇を20年前、50年前の四季折々に花が一杯咲く草原に少しでも再生しようという集まりです.パンフレットが出来ましたら掲載します.興味のある方がおられましたら、御連絡下さい. 草刈り(11月14日第一回目の草刈り)、動植物観察会等々、色んなイベントに参加出来ます.


 10月31日、薬学展と一緒に薬用植物園公開を行いました.100名以上の参加者が有りました.管理棟の二階で、いろんなお茶、おでん、薬用酒等を味わっていただきました.見学に来ていただいた方々に感謝いたします.次回は11月14日〔日)11時から公開します.

 薬用植物園で、ウコンの花、ヘビウリ、シキミの枝、等々がなくなりました.心無い人がいるものです.教育研究に多大な支障をきたしますので、観るだけにして下さい.御協力をお願いします.

御来園の時は、管理棟前にある御来園簿にお名前を御記入下さい.御協力をお願いします.

写真(阿蘇町、一の宮町 2004年10月3日撮影)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部・付属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)・矢原 正治,2004.10.9)
 
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, from 8, May, 2004



 
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