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1999年7月

ききょう Platycodon grandiflorum
ききょう科 Campanulaceae


 
萩が花 尾花 葛花 撫子の花 おみなえし また藤袴 朝顔の花(山上憶良)
 万葉集のこの歌に出てくる朝顔は,キキョウと言われている.花の色は普通写真のような青紫であるが,園芸種には白なども有る.夏,西の山が白むころ,眠い目をこすりながらブドウの集穫に山に行くと,毎年決まった所に朝露に濡れたキキョウの花を見つけたのを思いだす.今でも咲いているだろうか?
 キキョウの根は生薬名”桔梗”といい,用途は鎮咳去痰,漢方では強壮,排膿,咽喉痛を目的に配合され,最も簡単な処方は,桔梗湯(桔梗4グラム,甘草2グラム)である.桔梗湯は,咽喉の炎症(急性扁桃炎,扁桃周囲炎,急性咽頭炎,喉頭炎)に伴う咽喉腫痛,嚥下痛などに用いられる.
 韓国では食用としてキムチなどに強壮の目的で用いられる.花は人の心を和ます花卉に,根は薬用,食用に用いられる,無駄の無い植物である.しかし,人間には無駄も,馬鹿げたことも必要である.キキョウの花を見て,ストレスが少しでも和らげば幸いです.今薬草園ではキキョウが梅雨の豪雨に打たれながら満開である.梅雨明けが待ちどうしい.開ければアサガオとヒマワリの季節がやってくる.

(資料・写真提供 薬品資源学講座・矢原正治,99/7)


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