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今月の薬用植物
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2013年9月

ケイガイ  (Schizonepeta tenuifolia Briquet)
シソ科(Labiata (Lamiaceae))


 8月20日出発、21日カトマンズ、すぐKurikharkha山の下まで移動し、カトマンズ → ポカラ → カトマンズ、28日バンコクへ移動、30日早朝福岡着でネパールに出かけてきました。3,000m余のところを少しですが歩けました。また、ポカラで30分位ですが丘に登ってきました。昨年末から手術を2回しましたが、動けることが確認でき、また多くの人・植物と会えたのも収穫です。新しく出来たカトマンズ郊外に有る農学系の大学 Asian College of Technology and Management、ホワイトハウス大学訪問矢原&Dr.T.WATANABEHari君&Dr.T.WATANABE

 今月は、花穂を生薬に用いる植物の一つ「ケイガイ」です。北海道の名寄の薬用植物栽培試験場(センター)で栽培されています。秋に開花中の花穂全体を採取して乾燥(陰干)し生薬「荊芥(けいがい)」とします。1年生草本で茎は方形(四角)で直立し上部が分枝し、上部に輪散花序をつけます。淡い紫色で大変小さい花です。生薬"「荊芥」"は香りが強く、口に含むと清涼感が有ります。香気の強い製品が良質とされています。 薬用としては、皮膚疾患薬、消炎排膿薬の効能があると言われ、漢方では荊芥連翹湯、清風散、防風通聖散などの処方に配合されています。
 荊芥を用いた皮膚疾患の研究で、水の細胞膜移動に関与するアクアポリンのうちアクアポリン3(AQP-3)は皮膚のケラチノサイトに存在することが知られており、その欠損により皮膚疾患の治癒の遅延が生じるとされている。従ってAQP-3の皮膚での発現亢進は創傷治癒促進作用が期待できます。元本学部薬理学研究室の磯浜先生との共同研究で、荊芥エキスにAQP-3発現亢進作用が認められました。新規創傷治癒促進薬の開発を目標にした研究において、荊芥の活性成分として2つの化合物を単離,構造決定し、"9月7日の日本生薬学会(北海道医療大学)で6年生の福永さん、小笹さんが発表"しました。二人とも就職も内定し、元気なので安心しています。後は薬剤師国家試験に合格してくれることを祈っています。
 10月にはネパールから留学生が一人増えます。名前はBibek君です。元気の良い20代の若者です。8月にネパールに行った時に一緒に植物採集に付き合ってくれました。来ましたら、よろしくお願いします。現在研究室は外国人特別研究員1名(ハリー君)、博士2年1名(ケム君)、修士1年1名(ソウさん)、6年生2名、4年生3名、研究生1名です。11月から漢方を勉強したい3年生が何人来てくれるかな??楽しみにしています。

生薬学会での他の発表(ポスター)
1)"9月8日の日本生薬学会(北海道医療大学)でKhemさん(Bonbax樹皮の成分)"
2)"9月8日の日本生薬学会(北海道医療大学)で小笹さん、福永さん(ジャガイモ果実の成分)"


文部科学省HP「子ども霞ヶ関見学デー」動画:熊本大学とくすりの世界を体験してみよう!。  見てみて下さい。滑舌が良くないので、テロップが入っています。クマモンも出て来るよ!!

ご自由にご利用ください!
"2013年 9月カレンダー ユウスゲ"
"2013年 10月カレンダー 阿蘇トウキビ"


写真(花:2013年8月 薬用植物園)
(資料,写真・文章責任: 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター
Medicinal Plants Eco-Frontier Center(Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野) 
矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種)
                       (変更日:2013.9.18)
 
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, from 8, May, 2004



 
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