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今月の薬用植物
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2013年5月

クスノキ (Cinnamomum camphora (L.) J. Presl)
クスノキ科(Lauraceae)


 クスノキは熊本県の県木です。花の大きさは5mm位、果実は球形で秋に黒色に熟します。熊本城に樹齢数百年のクスノキが何本もありますね。薬学部にも正門を入ると樹齢100年を越す「熊薬の守り神」のクスノキがあります。また、正門西側に創立50周年の時に植樹した樹齢77年のクスノキがあります。昔は九州、高知などの暖かい地方ではクスノキの材より樟脳(カンフル、カンファー、camphor)を生産していましたが、今では手間がかかるのでほとんど生産されていません。樟脳は防虫剤として、また強心、血行促進、鎮痛、消炎作用などを目的に薬用として用いられましたが、1920年代に松の精油αーピネンから合成できるようになったため、天然のカンファーは高価なこともありほとんど使われません。起死回生を意味する「カンフル剤(shot in the arm)を注入する」等の言葉があります。

 中学校・高校の理科の実験で、クスノキの生葉を50g位取り、耐熱皿に入れ、上に丸底フラスコに水を入れた容器をクスノキの葉から3〜5cm位離してセットし、クスノキの葉が入った耐熱皿をブンゼンバーナーで緩やかに加熱すると、水蒸気と共のカンファーが蒸発し、丸底フラスコの底に水滴と共に冷えて着きます。丸底のフラスコの水を放置して飛ばすとカンファーの結晶が取れます。結構簡単に出来ますので、楽しい実験です!!
 熊本県の木は「クスノキ」、花は「リンドウ」、鳥は「ヒバリ」、魚は「クルマエビ」です。(参考ホームページ:http://prf.uub.jp/symbol.html で他の県のも見て下さい)憶えておくと話しの種になります。
 リンドウは秋の阿蘇の草原(草地の境の日当りの少し良いところ)で濃い青色の花を咲かせます。4/29に野焼きをした草地にサクラソウ等の花を見に行ったら、リンドウの新芽が出ていました。リンドウの根は苦いので整腸、消化促進、健胃などとして薬用、食品に用います。

 皆さん連休は如何ですか? 私は4日間仕事、2日阿蘇へ植物の観察・調査、の予定です。4/30〜5/2は講義などで大学です。貧乏暇無です。
 阿蘇の草原を久しぶりに歩いたら足の筋肉が疲れ、夜に「こむら返り」を起こしました。その時は「芍薬甘草湯」でおさめました。シャックリが止まらない時も効果があります。この前「喘息」で咳がひどくなった方に飲んでもらったら(まだ飲む余裕のなる人)咳が止まりました。筋肉の痙攣を緩和するので効いてもおかしくないですね。素人療法はぜず「薬剤師の漢方の分かる方」に聞いてから服用して下さい。
 5月は緑が鮮やかな季節、阿蘇、菊池渓谷などに来かけ、緑を観て、ストレスを解消して下さい。ストレスは肝(肝臓)・胃腸を痛めます。ストレスを解消し肝臓、胃腸を養生して下さい。
  

ご自由にご利用ください!
"2013年 5月カレンダー シャクヤク"
"2013年 6月カレンダー ハマナス"


写真(花:2013年4月21日 宮崎市、卒業生の那須さんの結婚式会場にて)
(資料,写真・文章責任: 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター
Medicinal Plants Eco-Frontier Center(Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野) 
矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種)
                       (変更日:2013.5.1)
 
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, from 8, May, 2004



 
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