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今月の薬用植物
バックナンバー薬用植物園

2005年5月

まむしぐさ(Arisaema serratum Schott forma Thunmergii Makino)
さといも科 (Araceae)


『温かな日なたぼっこの蝮ふむ』(河童)

今月21日(土)、22日(日)は” 第4回薬用植物を知ろう in 熊本”です。申込はお早めに。来週から毎週土日に植物調査に入ります。阿蘇は気持ちがよいので楽しみです。

 薬用植物園ではマムシグサ、アオマムシグサムサシアブミオオハンゲカラスビシャク、家の庭でヒメウラシマソウが一斉に花をつけています。林の日だまりでマムシが日なたぼっこをしている光景にぶつかることがあります。まだ気温が上がっていないので、なかなか逃げず、たまに威嚇をして首をもたげます。この形、色彩に似たのがマムシグサです。緑紫茶の縞模様の茎に、濃い紫の花をつけます。実が熟すと毒々しい赤橙色になる。
 生薬名を天南星(球茎)と言い、去痰、鎮咳、鎮静の目的に、二朮湯、清湿化痰湯に配合し用います。毒草で、実を食べると、吐き気、下痢、皮膚炎、多量に取ると心臓の麻痺等をおこします。
 サトイモ科はイガイガするなど、有毒植物ですが、巧く用いると薬用になります。”毒は薬、薬は毒”の言葉がぴったりの植物です。一兆円産業のサプリメントも薬用植物(動物、鉱物が入ったものも有りますね)です。”薬とつくものは度を過ぎると毒になります”、又、各人によりその効く量、毒になる量が異なりますので、私はこんなに沢山飲んでも大丈夫だから、あなたも飲むべきだなどと無理強いしないでください。自分の身体の変化は自分が一番知っておくべきもの、それが予防医学の最初ではと思います。皆さん如何ですか。身体の変調に気づいていても、忙しさにかまけて養生を忘れると、取り返しのつかないことにもなりかねません。長い人生、休む、引き返すこともだいじと考えます。

 NPO法人「阿蘇花野協会」(潮谷愛一理事長)が発足し、野焼き、盗掘防止パトロールを兼ねて観察会を行っています。”NPO法人「阿蘇花野協会」に参加されたい方々は、矢原まで御一報下さい。(年会費3000円) 

写真(薬用植物園 花 2005.4.29。実 2004.11.7 撮影)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部・付属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)(薬用植物学研究室)・矢原 正治,2005.4.29)
 
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, from 8, May, 2004



 
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