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2000年11月

ステビア Stevia rebaudiana BERTONI
キク科 Compositae

 南米パラグアイ北西部原産の草丈80cm程の草本である.熊本では10月中旬から11月上旬にかけて開花する.小さな白い花である.葉に10−13%の甘味成分のstevioside等の配糖体(脂溶性のものに糖が結合している化合物)を含む.甘味は砂糖の300倍位である.甘味料として,飲料,焼酎(韓国で),菓子,アイス等に用いられている.他に天然甘味料で有名なのが甘草(H9.9)である.甘草にはクルチルリチンが含まれている.ステビオシド,グリチルリチンと砂糖の甘みの性質を比べると,砂糖はあっさり味である.ステビオシドは砂糖によく似た甘味の性質を示しますが,甘味を感じる時間が少し長いようである.グリチルリチンは少し「ねっとり」とした甘味で,甘味が長く持続する.あっさりした甘味といえば,チクロ(サイクラミン酸ソーダ)があるが現在は禁止されています.また,一部で使われているサッカリンもあっさり味で,砂糖に近い甘味である.甘茶(H9.6)に含まれる甘味成分は甘みを感じるのが遅く長持ちする.
 近年,ステビオシドに糖を付加したものが甘味料として用いられている.これはサイクロデキストリンを作る時の「酵素の用い方」を応用し,糖を結合させる.方法は,可溶性セルロ−ス,加水分解酵素,それにステビオシドを加え,その濃度を調整すると,ステビオシドにα−グルコ−スが付加していく(普通の濃度ではステビオシドが加水分解される).これを食品添加物の甘味料として用いている.甘味は塩を数%入れると感じ方が増すことが分かっている.調理の時に甘味をつけるときに,少量の塩を加えるのを忘れないように.
 何事も気の合うものだけの集まりでは「進歩」がない.やはり反対の性質を持つものを取り込まないといけないことを料理の世界でも教えてくれる.料理,香水,香等は混ぜればよいが,人間は難しい.
 ストレスの多い社会であり,新しい病気が増えている.薬も飲むだけでなく「心」の薬(形はない)が必要である.医療人に求められることであろうか?


参考資料 砂糖に代わる健康に役立つ甘味料

(資料:写真提供 薬品資源学講座・矢原正治,2000/10)
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