花はガクアジサイに似ているが,少し小柄である.甘茶の原料植物であり,葉および枝先を用いる.江戸時代からこの煎汁を4月8日の潅仏会に甘茶湯として用いる.生の葉は甘くなく,発酵させ手でもむ等の調製により,植物内に含まれる酵素(内在酵素)によって加水分解が起こり,甘味成分phyllodulcinが生じる.Phyllodulcinはイソクマリン系化合物であり,甘さは砂糖の約1000倍とも言われる.昔は甘味料,矯味薬,口腔清涼剤として用いられた.砂糖の消費が一人当たり年間平均約20Kgの今日では特別な時にしか用いられない(お米の年間消費量は約60kgである).缶コ−ヒ−等には砂糖が約25g入っている.グルメも結構だが,砂糖の取り過ぎには注意しょう.
(97/6 生薬学研究室 矢原)
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