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熊薬Products

「熊薬(くまやく・熊本大学薬学部)」の研究から生まれた製品をご紹介します。

FERTIUP™ シリーズの誕生

 

高性能マウス精子凍結保存・体外受精システムFERTIUP 熊薬では、C57BL/6マウスの精子凍結保存技術の確立を目指して、研究を進めてきました。その結果として、薬剤分析情報学分野、資源開発分野(熊本大学CARD)、 九動株式会社が共同開発したFERTIUP™ シリーズ(精子凍結保存液、精子前培養液)を上市することが出来ました。 現在、FERTIUP™ シリーズは、国内のみならず海外でも市販されており、世界中の研究施設で利用されています。

 遺伝子改変マウスの作製に汎用されるC57BL/6マウスの精子は、凍結/融解することによって、受精能が顕著に低下するという問題がありました。 受精能が低いと、凍結精子から再び個体を作製することが困難となり、保存法として利用できません。 そこで私達は、凍結保存時の受精能の低下を防ぐ精子凍結保存液と体外受精時の受精能を高める精子前培養培地の開発に取り組みました。
まず、精子凍結保存液に有用な精子凍結保護剤の探索を行いました。その結果、数種類のアミノ酸において、 凍結/融解精子における受精能の低下が抑制されることが明らかになりました。現在、FERTIUP™ マウス精子凍結保存液には、その時に発見した中で最も効果が高かったL-グルタミンが利用されています。

 次に、凍結/融解精子の受精能を高める受精能賦活剤の探索を行いました。ここで効果を示したのが、環状マルトオリゴ糖であるシクロデキストリンでした。これはある種、運命的な成功でした。薬剤分析情報学分野の入江教授は、製剤学研究者としてシクロデキストリンの研究を行っています。一方で、資源開発分野の中潟教授は、生殖工学の研究者としてマウス精子や胚の凍結保存の研究を行っています。共同研究という形により、これまで交わりの無い研究領域であった製剤学と生殖工学が繫がり、シクロデキストリンがマウス凍結/融解精子の受精能を賦活化するという、非常に興味深い知見を発見することが出来たのです。この成果から、FERTIUP™ マウス精子前培養培地には、シクロデキストリンが利用されています。

 FERTIUP™ シリーズは、様々な人や研究が繋がることによって誕生しました。研究の成功には、研究の情報だけではなく、人との出会いが不可欠です。

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