遺伝性腎臓病(アルポート症候群)国際ワークショップ イン熊本の開催のご案内

2025年3月21日(金)に熊本大学薬学部キャンパス大江地区総合研究棟2階多目的ホールにて、「遺伝性腎臓病(アルポート症候群)国際ワークショップ イン熊本」を開催しますので、ご案内いたします。

ポスターはこちら

アルポート症候群は、腎糸球体基底膜を構成するIV型コラーゲン遺伝子の変異により発症する難治性の糸球体硬化症であります。本疾患は小児で2番目に多い遺伝性の腎疾患であり(出生4-5万人に1人、人口当たり5000-10000人に1人:海外情報。日本においては、約1200人:難病情報センター)、重症例では10代後半から20代にかけて末期腎不全への移行を余儀なくされることから、若年透析導入の主因となっています。現在の標準治療法であるレニン-アンジオテンシン系阻害薬の早期治療介入により、予後は改善するものの、その治療効果は不十分であります。ゆえに、いまだ効果的な治療法がなく、新規治療薬の開発が急務である難病であり、我が国でも難病指定を受ける重篤な疾患の1つであります。

この遺伝性疾患に対する医薬品開発は国内外で盛んに行われている一方、海外とは異なり、我が国には、患者会が無い唯一の先進国であり、国際的な患者団体の活動や情報共有がほとんど皆無であります。

このたび、熊本にて、遺伝性腎疾患アルポート症候群の国際ワークショップを開催します。また、同時に、国際アルポート患者団体の日本支部のキックオフを兼ねる予定です。国内外の講演者が世界最先端の情報を提供すると共に、国際アルポート患者団体の関係者により患者の立場からのメッセージを発信します。ゆえに、本ワークショップは、難病創薬に挑戦する研究者、製薬企業に対してだけでなく、アルポート症候群患者に対する重要な情報共有や意見交換の場となります。また、大学院生にとっては、海外の研究者や参加予定の製薬企業研究者にアピールする良い機会にもなります。

午前の部にて、日本語にて、神戸大学小児科(アルポート症候群患者レジストリー代表)の先生方に、日本における診療の実態について紹介し、午後は、英語にて、米国、英国、カナダ、日本の研究者らによる講演やディスカッション、交流会があります。さらに、国際アルポート症候群患者団体から日本の患者向けのビデオメッセージも予定されています。

参加申込は必要なく自由に参加できます。


開催代表者
熊本大学薬学部
甲斐広文