活動報告

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第2回 エコファーマ企業研修(二プロ・ニプロファーマ)

 ニプロ(株)ならびにニプロファーマ(株)のご協力により、薬学科3年生4名、創薬・生命薬科学科3年生1名、同2年生1名と引率教員1名の計7名が、大阪市内のニプロファーマ(株)本社、三重県松阪市のニプロファーマ(株)伊勢工場ならびに滋賀県草津市のニプロ(株)医薬品研究所を訪問し、製薬企業の環境および環境保全に対する考え方や具体的な対応について、現地で視察研修を行いました。初日はまず、ニプロファーマ(株)本社のホールで発表会を設けて頂き、ニプロファーマ(株)本社経営戦略室の小田容三室長より環境経営と改正省エネルギー法における特定事業者の対応、ニプロファーマ(株)伊勢工場施設管理部ならびに大館工場総務部より改正省エネルギー法の概要、両工場ISO14001の対応状況を報告して頂きました。有意義な質疑応答は、その後の懇親会まで続きました。二日目は、ニプロ(株)医薬品研究所にて、研究所見学や甲斐所長の咄嗟の計らいにより急遽琵琶湖の浄水設備の見学まで行うことが出来ました。最終日は、さらにニプロファーマ(株)伊勢工場にて工場見学を行い、排水処理施設などの説明やそこで作られるキット製剤などの使用方法について実習を行いました。最後に伊勢工場の久保工場長より、伊勢工場立ち上げからの環境対策への活動をご報告していただきました。

  『環境問題』は、地球規模の大きく壮大な問題であるため、なかなか詳細な部分にまで思いを馳せることができず、何とかしないといけないと考えながらも、その思いをただ漠然と捉えてしまいがちです。しかし、今回、『環境』について改めて考えてみると、『環境』とは『ヒトのまわりを取り巻く周囲の状態や世界』であり、『人間あるいは生物が、相互に関係し合って直接・間接に影響を与える外界』のことです。まずは自分に近い周囲(環境)から改善していく、そしてそのエリアを少しずつ拡大していくこと、この「地道な努力」なくして地球環境など改善することは出来ません。それがこのたびの研修にて痛感させられました。

 また、「努力」というと非生産的で辛いことのようですが、その努力を「企業の業績向上」につなげることが可能であることも感じとることができました。今回の企業研修を通じて、ニプロ(株)ならびにニプロ・ファーマ(株)では「患者様のために良い薬を作る」ことから「患者様を取り巻く医療従事者のためにも良い薬(キット製剤)を作る」ことに着眼し、すでにその先のもっと広いエリア(環境)に目を向けられていることが、上層部の方々のお話からはもちろんのこと、社員の皆様一人ひとりの目からも伝わってきました。その圧倒的なプロフェッショナルさに、学生をはじめ私にとりましても多くの刺激になり、将来自分が歩むべき方向性を考える際のよい糧になったと感じています。

 新型インフルエンザの発生もあり、研修自体の中止も考えられましたが、本学の薬学教育にご理解を頂き、研修の受け入れと大変丁寧なご説明をいただきましたことに心より感謝申し上げます。

 なお、研修内容は、11月3日(火)の薬学展においてポスターで発表し、さらに11月9日(月)には、公開の報告会を開催して口頭で発表しました。

研修の手引き (pdf)
研修報告ポスター (pdf)
研修報告スライド (pdf)

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