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今月の薬用植物

2015年12月

ヨーロッパスモモ(プルーン、プラム、西洋スモモ) Prunus domestica L.
バラ科(Rosaceae)

   

 ようやく11月27日に、阿蘇、市房山、霧島山麓、桜島に積雪がありました。急に寒くなりましたが、皆さんお変わりございませんか? 南九州の紅葉は暖かかったので、色付きが悪く、霧島山麓で少し色付いている程度で、鹿児島市内はほとんど茶色のまま落葉しそうでした。
 急に平年並みの寒さになりました。気温差が激しいため、体調がついていかない方もおられます。皆様、背中(腰から首)を冷やして「風邪」を引かないように気を付けて下さい。

   今月は、ヨーロッパスモモです。「プルーン」として有名な健康食品の乾燥果実があります。「ヨーロッパスモモ(プラム)の一種」の果実(種子を除いた果肉だけ)を乾燥した物をプルーンといって売っています。植物の原産地はコーカサス地方(アゼルバイジャン・グルジア・アルメニア)といわれていますが、現在の主生産地は、アメリカのカリフォルニアです。
 プラムは、ウメと同じ仲間で、プルーンという言葉はヨーロッパで用いられてきました。日本で生食しているスモモとプラム(西洋スモモ)は少し異なります。
 プルーンは、プラム(西洋スモモ)の果肉を90℃位で加熱乾燥して作ります。植物繊維、ビタミンA、E、ミネラルではカリウム、鉄、カルシウムが多い果実です。機能性は、ポリフェノール等による抗酸化活性、他に、糖尿病予防、高脂血症予防、がん(乳がん)予防、便秘解消等があるといわれています。生食でも同じような効果がありますが、乾燥したプルーンのミネラル等の成分は、乾燥して水分が減るので重量当たり5倍位になります。秋には生のプルーン(プラム)が売られています、試してみて下さい。ただし、食べ過ぎますと下痢をする人がいますので、ホドホドにしましょう。

 ウメにも多くの機能性があります。特に梅肉エキスには、高血圧予防、抗O157(抗菌)、がん予防、抗酸化作用などの報告があります。来年、梅肉エキスをつくってみませんか。

 先月のキカラスウリ、地下部(約2kg)を用いて、「天花粉」(約400g)を作られた方がおられますので紹介しておきます。手荒れがひどく、水仕事でゴム手袋をはめられる方は、この天花粉を使うと手袋を外すのも楽で、手荒れ防止にもなるのではと思います。作って利用してみては如何でしょうか? ただ、逆にアレルギーの出る人もおられますので、注意して使用して下さい。
 ヒビ、手荒れに、ヘクソカズラの実の焼酎漬け、アロエの焼酎漬け、ユズの種子のヌルヌルなどがあります。もう枯れてありませんが、ドクダミの地上部・花、希少植物になったシュンランの地下茎の焼酎漬けも効果があるという人がいます。人により合う人、合わない人がいますので、まずは少し作って試してみて下さい。

 寒くなると風邪を引く方が増えてきます。脊髄の左右にある「腰から肩までの筋肉を冷やす」とゾクゾクして、熱が出てきます。原因は身体に溜まった熱が、汗が出ないために溜まるからです。葛根湯は皮膚を温め、汗腺を開き、汗を出す薬です。汗が少し出れば熱が下がるはずです。頓服で2?3時間おきに服用し、汗が出たら服用を止め、身体を温めて養生して下さい。

 新型ノロウイルス(感染性胃腸炎、嘔吐下痢症)が流行しそうです、手洗い等、注意して下さい。もし、罹り、嘔吐・下痢が始まりそうな時は「五苓散」が有効です。子供さんにも使えますので(体重によりますが、幼児1/4?5、小学生1/2?3、中学生から大人と同じ、詳しいことは”薬剤師”にお尋ね下さい)、お試し下さい。
 皆さん「かかりつけ薬剤師(相談できる薬剤師)」を見つけて下さい。皆さんの周りに沢山おられるはずです。科学を知っている薬剤師の方にいろんなことを相談してみて下さい。

  11月22日に鹿児島市で開催された「日本薬剤師学術大会」の分科会で講演(「薬剤師が担う生薬の過去から未来」)をさせていただいた時は歩くと汗ばみましたが、一週間後の11月27日は霧島山麓に雪が降っていました。11月28?29日、指宿で「植物色素研究会」(会長矢原)がありました。そのついでに霧島山麓の「鹿児島県”薬草の森”」に久しぶりに寄って来ました。寒かったですが、センブリのロゼットを久しぶりに見つけ感動、冬桜ツバキサザンカの花が咲いていました。また、暖かくなったら伺おうと思っています。  

ご自由にご利用ください!
       2015年11月のカレンダー ヤツシロソウ

       2015年10月のカレンダー ミソハギの花

       

写真(薬用植物園 グランド側園にて)
       (資料,写真・文章責任: 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター)
                               学術研究員(客員教授)
                                      矢原 正治
                             (変更日:2015.11.30)

, from 8, May, 2004
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