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今月の薬用植物

2015年11月

キカラスウリ  Trichosanthes kirilowii Maxim. var. japonica Kitam.
ウリ科(Cucurbitaceae)

   

今月も遅くなり、立冬も過ぎてしまいました、すみません。
   里山の木に蔓がのぼり、黄色い実がなっています。これが「キカラスウリ」です。昔は地下部から天花粉(天爪粉)を作り用いていました。同じような赤い実は「カラスウリ」です。
 今、用いている「ベビーパウダー」は、コーンスターチとタルク(滑石)だそうです。50才以上位の方が赤ちゃんのときに用いていた天花粉は、キカラスウリの地下部から出来ていた「天花粉」でした。しかし材料の不足、高騰などもあり、安価で出来る「ベビーパウダー」になりました。

 キカラスウリは薬用植物です。例えば、発熱があり・のどが乾く、熱性の便秘、さらに黄疸、利尿に、根(王瓜根)を。乳が出にくい人に、種子(王瓜子)を煎じて用いますが、妊婦には用いないで下さい。また、果実の果肉は非常に粘滑性で、果肉を、しもやけ、ひび等に直接皮膚にすり込むと、皮膚のあれを改善することが出来ます。
同じ仲間のカラスウリは、果汁、果肉を、しもやけ、肌荒れに、根(王瓜根)は、利尿等に、種子は催乳に、キカラスウリと同じように用いられます。

<キカラスウリの根から天花粉の作り方>
 根にはでんぷんが多く、小児のあせも等に使う天爪粉が得られます。天花粉の作り方は、秋~初冬に根を堀り(結構大変ですが)、土を良く洗い流し、細かく砕いて、水を加えてミキサーで攪拌して浮いた繊維質及びゴミを奇麗に取り除き、これを数回繰り返して、沈殿した白いデンプンを布で濾して、日干しにして乾燥したものが、天爪粉です。
 キカラスウリの根のデンプンはあえる程度の重さがありますが、それでも沈殿するのに2?3時間放置してから、布を用いろ過して下さい。細かいデンプンも取りたい時は、上澄みが透明になる位まで置いておいたほうが沢山得られると思います。ゴミを取り除きながら繰り返し、奇麗になったら、良く乾燥して用いて下さい。

 赤ちゃんのオムツかぶれ等に、ウコン粉の軟膏が、効果があります。ウコンを栽培している方は、秋に根茎を水洗いして、薄く切り、天日で乾燥、粉末にして、白色ワセリン(薬局で購入)100gに、ウコン末3?5gを加えてよく混ぜ作ります。ただし、改善しない時は止めて下さい。
 これと似たような軟膏で「中黄膏」(ウコン末、黄柏末)があります。中黄膏は、アトピー性皮膚炎のカユミを抑えるのに有効です。

 銀杏がおいしい季節です。昔は子供には食べさせるなと言っていました。小さい子が食べると痙攣を起こすことが多かったからです。大人でも30粒以上食べると急に痙攣する方がいますので、食べ過ぎには注意して下さい。物事ホドホドに!! 

 ノロウイルス(感染性胃腸炎、嘔吐下痢症)が流行しそうです、注意して下さい。もし、罹り、嘔吐・下痢が始まりそうな時は「五苓散」が有効です。子供さんにも使えますので(体重によりますが、幼児1/4?5、小学生1/2?3、中学生から大人と同じ、詳しいことは薬剤師にお尋ね下さい)、お試し下さい。

 

ご自由にご利用ください!
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       2015年10月のカレンダー ミソハギの花

       

写真(昭和大学薬用植物園 磯田進先生提供)
       (資料,写真・文章責任: 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター)
                               学術研究員(客員教授)
                                      矢原 正治
                             (変更日:2015.11.8)

, from 8, May, 2004
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