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今月の薬用植物

2015年 9月

ミソハギ  Lythrum anceps (Koehne) Makino
ミソハギ科(Lythraceae)

   

 台風15号が九州を直撃し、熊本県の荒尾市に上陸、サトイモ・ハスの葉は切れ切れになり、梨・栗などが落果、農家の方々は大打撃ですが、皆様は如何おすごしですか? 薬学部も白山宿舎の近くのソメイヨシノの枝が民家の屋根を直撃、江戸彼岸サクラ、キハダ、カンレンボク、シナアブラギリなど10本位が倒れたり折れたりしました。一週間経ってもまだ撤去、修復が終わっていません。
 私が植えた木、作ってもらった棚等も倒れたので、修復に伴い薬用植物園もかなり様変わりしそうです。どのように新装なるか楽しみにしています。

 今月のミソハギは、ミソハギ科の多年生植物で、各地の山野の湿地に生え、高さが1m位で直立し、上部に花をつけます。盆花として用いられます。名前の由来に「花穂で供養に水をかける習慣がある」ため、ミソギハギ(祓萩)が短くなったとも言われています。墓参りのおり墓石に水をかける習慣があり、ミソハギの効能に「喉の渇きを止める作用」があることから、亡き人の渇きを癒すために、ミソハギを用いるとも言われています。又、ミゾハギ(溝萩)からきたとも言われています。
 地上部を乾燥したものを千屈菜(せんくつさい)と言い、下痢止め、急性腸炎、膀胱炎、浮腫などに民間薬として煎じて用います。また、煎液を外用として、あせも、かぶれに、また、靴擦れ、切り傷等の止血に用いるようです。
 1日20g位を、水500?600ccで半量位まで煎じて、煎液を3回に分けて服用します。
さらに、喉の渇きには、1日5?10gを適量の水で煎じて、お茶代わりに、夏は冷やして、冬は温めて飲むと良いでしょう。
 食用にもなります。若芽を摘み取り、軽く湯がいてアクを除き、和え物、酢の物などで食します。また、花は1?2秒湯がき、サラダ等に添えて食べられます。ただ、何度も書きますが、食べ過ぎるとお腹を壊すことがありますので、注意して下さい。

 阿蘇の草原には盆花が沢山生えていました。それを用いて先祖の供養をしていました。草原が放置され、杉等が植林され、別荘が増えている現在、盆花も減りつつあります。NPO阿蘇花野協会が平成16年に創立した時に入会し、草原再生に協力しています。昔の草原に戻るのが楽しみです。当初の会員が歳を12年重ね、草刈り・草集め、隣地刈り・野焼きが大変になってきました。特に草刈り・草集め・隣地刈りは、年を重ねるごとにきつくなりますね。もし、若い人で、会員になって、作業に参加してくれる方がいましたら、入会して下さい。阿蘇の草原で、作業をするのは楽しいです。お待ちしています。観察会だけに参加する会員も募集しています。

   今年は、秋雨前線の動きが早いですね。また、朝夕ずいぶん涼しくなってきたように思えます。お腹を冷やす風邪の寝冷えに注意して下さい。涼しくなり、湿度が下がってきますと、胃の調子が良くなり、食欲の秋になります。調子に乗って食べ過ぎ、身体を動かさないと、不要の脂肪分が溜まりますので、用心して下さい。運動の秋とも言います、身体に入れたエネルギーは、運動をして、きちんと消費しましょう。そうすると太りません。(実行していない筆者ですが)
 秋に体調を整え、冬に風邪を引かない身体を秋に作って下さい。皆様のご健康をお祈りします。
 

ご自由にご利用ください!
       2015年 9月のカレンダー オニバスの花

       2015年10月のカレンダー ミソハギの花

       

写真(2015年8月&2015年8月 薬用植物園)
       (資料,写真・文章責任: 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター)
                               学術研究員(客員教授)
                                      矢原 正治
                             (変更日:2015.8.31)

, from 8, May, 2004
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