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今月の薬用植物

2015年 7月

コオニユリ
 Lilium leichtlinii Hook. f. f. pseudotigrinum (Carriere) H.Hara et Kitam.
ユリ科(Liliaceae)

 

 6月中旬から梅雨に入り、ジメジメした天気が続き、太陽のでない日が多く25度前後と気温が上がりません。野菜・果物の出来が心配です。円安もあり食品物価がまた上がりそうですが、皆様如何お過ごしですか?? 輸入品、遠くのものに頼らず、地産地消で地元の旬の産物を利用するようにすると良いのではと思います。

 今日は、七夕のための竹を切って短冊を飾る準備をしました。薬学部の構内で竹が調達できます。毎年楽しみにしている先生方、学生さんがいますので、止められませんね。今年は5月にタケノコも事務の方々と分けて食べました。結構美味しかったです。2年目の竹は薬用植物園の資材として利用しています。

 コオニユリ(写真左)、オニユリ(写真右)が咲き出しました。コオニユリはオニユリよりも草丈、花が小振りで、オニユリにはムカゴがつき、コオニユリはつかないので見分けることができます。どちらも薬用にしますが、一般に百合(ひゃくごう)は、オニユリの鱗茎を用います。コオニユリの薬用部位は鱗茎(りんけい)で、強壮、消炎、咳止め、利尿、鎮静薬として虚弱体質者の発熱、咳嗽、小便不利に煎服し、また、創傷出血、アカギレに外用薬としてもちいますが、主に食用にします。これはオニユリよりも苦味(にがみ)が少ないからです。正月の御節料理等に用いますので、熊本市西区の田崎市場には年末に北海道から入荷します。茶碗蒸し等に入れると少し苦味があり美味しいですね。しかし子供さんは苦味があるので苦手なようです。一般に酒が好きな人は苦いものは平気です。ビールは苦いのですが、ビールが飲めるようになると苦い食べ物がおいしく感じます。
 苦いものは、身体を冷やすものが多いですね。夏に苦い飲食物をとると、暑い夏の熱を身体から除く作用があります。夏が旬の野菜の代表格が苦瓜(ゴーヤ)ですね。キュウリ等のウリ科、トマトも苦みがあります。
 スイカ、メロンは甘いですが、冷やします。余り食べ過ぎますとお腹を冷やし、下痢をしますので、気を付けて下さい。また、スイカには利尿作用があります。子供さんが寝る前に食べ過ぎますと、寝小便をしますので、これも気を付けて下さい。
 少し話が変わって、メロン、ヤマノイモ、キーウィーフルーツ、パインアップル、パパイア等にはタンパク分解酵素が沢山含まれています。皮膚の弱いか方が食べると、咽が痛くなる、口の中がヒリヒリするなどの障害が起きりことがあるので、気を付けて下さい。また、デンプン、多糖を分解する酵素は大根に含まれています。唾液もデンプンを分解し、甘い麦芽糖、ブドウ糖に変えます。「噛めば噛むほど甘くなるのは唾液のお陰です」。噛むことは脳の働きを良くし、近視の予防にもなるとの報告があります。また、胃腸が元気になります。胃腸が強いと夏バテしにくいようです。ただし、暴飲暴食を繰り返す、また、冷たいものを飲食し続けると、胃腸が弱ります。夏バテ予防には、良く噛み、胃腸を内外から冷やさないように気をつけること、汗をかいて水を身体から出して下さい。胃は、水に弱いので、暑くてジメジメするこの季節に弱ります。私たちの身体は水を欲しますが、体内に入った水を出す方向で普通は機能しています。しかし、エアコン使い過ぎや、身体を動かさないと、摂取した水が、汗や尿で出る量が減り、体内に水がたまった状態(水滞、水毒)になり、まず胃が弱り、続いて倦怠感を感じます。これを防ぐには、一日一回以上汗をかき、温かいものを飲食して下さい。梅雨に胃を弱らすと、夏バテ、冬に風邪を引きやすい、身体がだるい等の症状が1年中続きます。胃を元気に保ちましょう!!
今が肝心です。胃を弱らさないようにし、普通に保ち、医療費を減らしましょう。


ご自由にご利用ください!
    2015年 7月のカレンダー シロバナムシヨケギクの花

       2015年 8月のカレンダー コオニユリの花

       

写真(2015年6月&2015年7月 薬用植物園)
       (資料,写真・文章責任: 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター)
                               学術研究員(客員教授)
                                      矢原 正治
                             (変更日:2015.7.2)

, from 8, May, 2004
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