2015年 4月
ハシリドコロ Scoporia japonica Maxim.
ナス科(Solanaceae)
阿蘇山がチョビット元気です。阿蘇山からエネルギー(気)をもらいに阿蘇に出かけて下さい。
3月31日をもって無事に退職しました。しかし、まだ「今月の薬用植物」のホームページの更新、「花便り」の送信、イベントは今まで通り行いますので、今後とも、ご教示・ご助力をお願いします。
<本題に>
「人は毒を有するものを前処理して食べる」、人は知識が増えれば増えるほど,食えそうもないものを食ってしまいます。いつもすごいと思いながら、私も本で調べて食しています。私たちの先人の五感・観察力の素晴らしさを感じるときです。
生で食べるとお腹をこわすものを煮る(大豆)、発ガン性のあるものを灰汁抜きで毒性を軽減する(ワラビ)等、幾多の人がトラブルにあったのを観察し、方法が確立されたのだと思います。(スゴイ!!)
今月の薬用植物は有毒植物を薬に用いる「ハシリドコロ」です。鎮静、鎮痛などの作用をしめします。成分の「アトロピン(ヒヨスチアミン)」は、眼底検査のときの瞳孔を広げるのに用いる重要な薬です。逆に瞳孔を縮小する薬はピロカルピンといい、ヤボランジという南米ブラジルのサバンナにある植物に含まれます。
ハシリドコロは、脊梁山脈などに生育します。脊梁山脈は鹿の害がひどく、残っているのは有毒植物の “トリカブト、ハシリドコロ、ヤマシャクヤク、バイケイソウ等” で、木の皮までかじられて、森林が弱り、そのために、河川、海までが弱っているのではと思います。皆さん、どのようにすれば山と海を守れると思いますか? 名案があったら提案して下さい。
3月で阿蘇の野焼きも終り、草原にキスミレ、ハルリンドウ、フデリンドウ、フクジュソウ、サクラソウ等の花々が咲き出しているのではと思います。その横でワラビも顔をだし、皆さんのお越しを待っているのではないでしょうか? 何故「人は、牛も食わないものを食う」のでしょうか? よく分かりませんが、皆が取るからとって、アク抜きをして食べるのでしょうか? 無理をして、食べる必要も無いと思うのですが、皆さんは如何ですか??
山菜採りで、毎年、間違えて有毒植物を採取し、中毒、ひどいときは死に至る方もいます。分からないものは採取しないように気を付けて下さい。さもないと救急隊の方等、他人に迷惑をかけることになります。また、他人の土地に入って、植物等を泥棒しないようにしましょう。
ご自由にご利用ください!
2015年 4月のカレンダー ボケの花
写真(2014年3月 南阿蘇)
(資料,写真・文章責任: 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター)
矢原 正治
(変更日:2015.4.1)
, from 8, May, 2004