• 受験生の方へ
  • 学部・大学院
  • 教育
  • 研究
  • 教員紹介
  • キャンパス
  • 薬学部
  • 大学院薬学教育部
  • HOME
  • 今月の薬用植物

今月の薬用植物

2014年11月

シラタマノキ Gaultheria fragrantissima Wall.
ツツジ科(Ericaceae)

 
 皆さん、サロメチールの木を知ってますか? また、サロメチールをという言葉を聞いたことありますか?? サロメチール『サリチル酸メチル(2-ヒドロキシベンゼンカルボン酸メチル)』は、アセチルサリチル酸(アスピリン)のお友達で、サリチル酸の水酸基をアセチル化したのがアスピリン、カルボン酸をメチル化したのが、サロメチールです。Gaultheria属の植物を水蒸気蒸留し、香りの成分を分離して得られます。その油をウインターグリーン油、冬緑油等といわれます。ウインターグリーンは、シラタマノキの仲間です。
 Gaultheria属の植物は、葉、果実等にサリチル酸メチルをたくさん含んでおり「サロメーチールの木」と言われ、抗炎症作用があり、湿布の木として知られています。

 シラタマの木は、ネパールの2000m位の丘の、陽当たりの良い所に生えている低木で、ヒマラヤ街道の入口Jiriに行く途中の道端に、10t位入る水蒸気蒸留の装置があり、地元の方が、20?30kg位を担いで運んできていました。10ルピー/1kgだそうですので、一回持って来ても200?300ルピー(200円?300円、カレー1杯100Rs位)です。それも植物が無くならないように、配慮して集めてきているようです。
 熟した実は、サロメチールの香りがしますが、食べると以外に美味しいです(まずくはない)。また果実を酒に浸け疲れた足に塗り、筋肉疲労回復に用いるようです。さらに、果実酒にすると琥珀色になり、すっきりした香りがして美味しいそうです。
 日本で、シラタマノキの仲間の果実を集めようとすると2000m近くまで登り100g集めるのは大変ですが、ネパールでは車の通る道端等にもあり、7月?8月、簡単に集めることが出来ます。
 シラタマノキが生えている所からはヒマラヤ山脈が見えるはずなのですが、この2?3年天気が悪く、雪をかぶった山々を見ていません。ヒマラヤの山が見えると何もかも忘れ、見入ってしまいます。

 今年はヒマラヤのアンナプルナ山系に季節外れの大雪が降り、10月のトレッキングシーズンに雪崩による犠牲者が出てしまいました。山に行くと引き返す勇気が必要だなと毎回思います。遠いから、もう来れないから、無理をして行くのではなく、いつもまた来るか、と思いながら薬用植物調査をしています。

 阿蘇では氷もはり、熊本市内でも朝夕寒くなりました。皆さん「背中から腰」を冷やして、風邪を引かないように注意して下さい。もし、寒さで「ゾック」としたら、すぐ風邪薬を飲んで、背中を暖めて、養生をして下さい。もし漢方薬の風邪薬を飲む時は、頓服で早めに服用し、2?3時間おきに飲んで下さい(1日分を6?9時間以内で飲む、少し汗ばんだら飲むのを止める。温かくして養生する)、楽しい11月、年末をお過ごし下さい!!

ご自由にご利用ください!
    2014年  11月のカレンダー ゲンノショウコ

   2014年  12月のカレンダー 昔は丸剤の基本お大きさでした

写真(ネパール、2014年7、8月)、(構造式提供 原野先生)
(資料,写真・文章責任: 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター
Medicinal Plants Eco-Frontier Center(Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野)
      矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種)
                          (変更日:2014.11.6)

, from 8, May, 2004
PAGE TOP