熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
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2013年1月

ローゼル(Hibiscus sabdariffa L.)
アオイ科(Malvaceae)


 明けましておめでとうございます。
今年も(は)良い年になりますように、味噌天神に祈願しに行ってきます。

今年の私の目標は、「よいこと探しをする」にしました!! 今年もいろんな国で新しい人と会えるのを楽しみにして、海外に出かけ、国内でいろんなイベントを企画しています。お時間がある人はイベントにご参加下さい。楽しいことが一杯です(参加して探して下さい)!!

 今月の植物はローゼルです。ハイビスカス茶という名前で飲まれていますが、ハイビスカスの花ではありません。ローゼルの深紅の萼(がく)を用います。花はオクラと同じように"1日目は白色で中央は濃赤""2日目には淡黄色"に、"花が終わると淡赤"になります。花が終わり成長した"赤い萼"を採り、乾燥して用います。お茶にすると綺麗な赤色(紅色)になります。萼の中にクエン酸等の酸性物質が沢山入っているからです。日本では紅(赤)色のハイビスカス茶が売られていますが、昨年2月にスーダンに行った折、植物研究所で、"赤に加え、黒(濃い赤)、薄い赤のローゼル"を見せてもらいました。また、赤いハイビスカス茶も色が濃く、何度でも色が出ます。大変良い物でした(ビックリ)
 機能性ですが、クエン酸等の有機酸が多いこと、奇麗な紅の茶になりますので、心がやすらぎます。アントシアン、フラボノイド等のポリフェノールが入っていますので、抗酸化作用もあります。検索サイトを調べてみると「疲労回復、眼精疲労改善、血行改善、利尿作用」等がヒットしますがどうでしょうか? 少し信じて、飲んでみて下さい。良いことがあるかもしれません。
 アントシアン色素を使ったマジック料理を紹介します。アントシアンは中性から弱アルカリ性で青色に変わる物があります。例えば、ハイビスカス茶を作り、少し重曹を入れ、色を青色にして寒天と砂糖を入れジェリーを作り、食べる時にレモンを少しかけながら食べると、レモンの汁が触った所から赤くなってきます。色のマジッックです。子供達も大喜びして食事が楽しくなるのではないでしょうか? しかし安定な色ではありませんので、長くは持たないのが難点です。料理を科学するで、遊んでみて下さい。

 正月に、園では、スイセン(日本スイセン)、ロウバイ、サザンカ、それにボケ咲きのボケ、トウオガタマ、スイカズラ等が咲いています。ヒマラヤサクラの花はヒヨドリの襲来でほとんど散りましたが、少し残って新年を迎えています。

 ノロウイルスによる嘔吐下痢が流行しているようです。漢方薬の「利水剤」の「五苓散」を頓服で飲むと、ひどくならない可能性が高いので、もし罹った時はご利用下さい。ただし、飲んでも2、3日です。私は1、2回の服用で回復しています。下痢と嘔吐は身体に対しての不要物(毒素等)を出そうとする生体防御反応なので、無闇に止めてしまわないようにして下さい。無理やり止めると逆に身体を痛めることがあります。五苓散は生体の過剰反応で起こる嘔吐下痢を少し和らげてくれる効果がありますので、もしかすると点滴の必要がないかもしれません。   

ご自由にご利用ください!
"2013年 1月カレンダー スイセン"
"2013年 2月カレンダー ローゼル"


写真(花、実:2012年11月 薬用植物園、ローゼル:2012年2月 スーダン ハルツーム)
(資料,写真・文章責任 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター)
Medicinal Plants Eco-Frontier Center(Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野) 
矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種),(変更日:2012.12.31)
 
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, from 8, May, 2004



 
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