熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
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2012年10月

タマリンド(Tamarindus indica )
マメ科(Fabaceae)


 アフリカの熱帯原産で、東南アジア等で栽培されている、常緑の高木です。果実はいろんな国で見ていたのですが、花は見たことがありませんでした。今年9月にベトナムのカチチェン国立公園に行ったおり、近くの村で皆さんが聞き取り調査をしている時、私一人でブラブラしていたら、運良く農家の庭先で花を見つけ感動しました。果肉は甘酸っぱくて美味しいのですが、場所とか時期のよって結構当たり外れがあります。一昨年の8月にラオスで食べたのは美味しかったです。
 薬用としては、果肉を使います。中国では「酸角(さんかく) suan jiao、酸梅」などと言い、味は甘酸、性質は涼で、清熱、夏バテ等の食欲不振の改善、妊娠嘔吐に、夏バテによる食欲不振などに用いるようです。また食べ過ぎると下痢をしますので注意をして下さい。
タマリンドを初めて見たときはどのようにして食べるのか分かりませんでした。店の人に実演してもらっても、"タマリンド"の皮を割ると皮が果肉にくっつき、なかなか奇麗に割るのが大変です。また、口の中に入れるとデッカイ種が歯にあたります。これを巧く食べるのも少しコツが要りましたが、今では適当に味わっています。 皮にはタンニンを含み少し渋味があります。また、種子の外皮にもタンニンがあるので噛むと渋味が出てきます。東南アジアで食べると美味しいのでしょうが、日本で食べても他の食材と味が合うかどうか分かりません。
 台風も無事に通過してくれました。本格的な秋です。少し涼しくなり、湿度も下がり過ごしやすくなりました。湿度が下がると胃の調子が良くなり「食欲の秋」になります。しかし逆に、肺、皮膚は乾燥には弱く、肺・咽を痛める、皮膚がカサカサする等の症状が出てきます。胃は湿に弱く、肺(呼吸器系)・皮膚は乾きに弱いので、皆さん気をつけて下さい。

  11月3日(土)、4日(日)は薬学部の大学祭(蕃滋祭)です。薬膳料理、薬草園ツアー、紫雲膏作りなどを学生がします。10時〜16時です。お時間を作って是非お立ち寄り下さい。薬膳料理は11時〜だと思います。
 第100回月例 薬用植物園 薬用植物観察会を、11/3(土)11時〜13時行いますので、これも合わせてお立ち寄り下さい。


 10/6の「第11回薬用植物を知ろうin熊本」の一般の方の御参加をお待ちしています。当日飛び入り可!!


ご自由にご利用ください!
"2012年10月カレンダー ネパールの花"
"2012年11月カレンダー タマリンド"


写真(果実2012年9月ベトナムにて撮影)
(資料,写真・文章責任 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター
Medicinal Plants Eco-Frontier Center(Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野) 
矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種),(変更日:2012.10.1)
 
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, from 8, May, 2004



 
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