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今月の薬用植物
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2012年5月

イグサ(Juncus decipiensNakai)
イグサ科(Juncaceae)



 今月は、畳表に使う「イグサ」です。熊本県は45年前日本一の生産県になり、現在に至っています。しかし中国からの輸入品に押され、八代でのイグサ生産も落ち込んでいます。新しい物を作るという発想から生まれたのが「食べるイグサ・無農薬イグサ」です。20年位前、畳表を作っている鏡町の稲田さんが始めました。現在では大変興味あるデータも出ていますので、紹介します。

 イグサの地上部は薬用で「灯心草(とうしんそう)」と言い、心火を抑え、血を止め、気を通し、腫を散じ、渇きを止める等の作用で、不眠の改善、利尿を目的に加味解毒湯、分消散などの漢方薬に用いられます。イグサの粉の飲み方は1日3g位3回に分け、水で飲みます。

 大変興味あるデータとは、口の中で起ります。現在徳島大学歯学部との共同研究で入れ歯固定材にイグサの粉を入れると、口臭が少なくなる。口内の悪い菌が少なくなるといったデータが得られ、日本の他アメリカへも特許を申請しています。
 私たちがイグサ粉末を巧く使うとすると、1)歯肉炎に、またその予防に、2)口内をすっきり朝食が美味しくなることが期待されます。入手方法と使用法は、1)イグサの粉を近くでは大津の道の駅 or 八代の道の駅、ホームページから(イナダ有限会社 http://e-igusa.com/ )購入。2)粉を歯ブラシの先に少し着け、3)歯茎を柔らかく丁寧に磨く。4)歯茎の後は歯を磨く、5)後は口をすすいだ水を飲み込む(少し汚いと思われますが、イグサは薬草ですので飲んでも大丈夫)
 事例:1)イグサの粉で歯茎を磨くと歯茎から血が出なくなった。2)歯の痛みが和らいだ。3)夜寝る前に磨くと、朝起きた時、口の中がさわやかで朝食が美味しい。
他に、今調べていることは、お年寄りでオムツをしている方が、イグサ粉末を1回1〜2g一日3回飲んでいると、排泄物の臭いが軽減すると言われ、今測定しています。臭いセンサーの値が結構下がりますね。

話し変わって
 この前知人が美味しいからと柿ピーを沢山食べて急に腹痛をおこしたと言っていました。2回目なのですが、両方とも痛くなる前に柿ピーを食べたとのこと。ホームページを調べると結構事例が出てきます。働きすぎて胃腸が疲れている時に、トウガラシの付いた柿ピーを沢山食べると良くないのかもしれません。食べ物は程々にしましょう。病院で調べたら白血球が多いだけで他の検査結果には異常はないので、3日間何も食べずに養生しろと言われたようです。

 5月は沢山の花が咲きます。たまには花を愛(め)で、心身のバランスを取って、楽しい5月をお過ごしください。


ご自由にご利用ください!
"2012年5月カレンダー ヒスイカズラ"
"2012年6月カレンダー カミツレ"
"2012年6月カレンダー トビカズラ"

"毎日新聞で開催して下さいました。"ありがとうございます。嬉しいです。


写真(薬用植物園、栽培イグサ写真提供稲田氏)
(資料,写真・文章責任 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター
Medicinal Plants Eco-Frontier Center(Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野) 
矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種),(変更日:2012.5.2)
 
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, from 8, May, 2004



 
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