熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
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2011年7月

バンジロウ(Psidium guajava L.)
フトモモ科(Myrtacear)



生まれも育ちも植物園 
     "赤トンボ" "塩辛トンボ" 糸トンボ がとまるサジオモダカ 
                              (河童のはげ)


 7月を待たずに南九州は梅雨が明けました。蝉はまだ鳴いていません。夏休みはまだですが、 30℃を簡単に超している毎日です。皆様、暑い暑いと思っていますか? 私は、40℃の場所に行った時のことを思い出しています。そうそうると35℃は、まだ涼しいと思えます。汗は出ますが、クーラー無しでも仕事はできます。暑いと思わないと35℃でもそんなに暑く感じることもなく、人は心と身体が繋がっていることが分かります。

 今月の花は、温室の中で咲き、実が出来ている、バンジロウ(グァバ)です。3月にベトナムでも撮影しました(写真右の実)。葉が糖尿病に良いということで健康食品、お茶として売られています。腸での糖の吸収を抑制し、血糖値の上昇を抑えることができると言われています。そのようなわけで、グァバ茶のお茶を飲む時は、食事の時にしましょう。他に、高血圧、高コレステロール、下痢、口内炎、胃潰瘍に、また、あせも、かゆみ止めの外用に用いるとされています。
 中国の文献では、果実を”番石榴乾(ばんせきりゅうかん)”と言い、味は酸渋、性質は温。止瀉に。葉を”番石榴葉(ばんせきりゅうよう)”と言い、味は甘渋、性質は平。収斂し止瀉し、水性下痢、慢性下痢、湿疹等に用いると記してあります。 果実は、熟すと淡甘で、美味しいです。未熟の時は、タンニンが含まれていますので渋味を感じます。

熊本県の”くまもと育ちの伝統・特産野菜”15種を紹介しておきます。
1)水前寺菜、2)熊本京菜、3)水前寺もやし、4)熊本長にんじん、5)ひともじ、6)ずいき、7)れんこん、8)春日ぼうぶら、9)芋の芽、10)熊本赤ナス、11)熊本ねぎ、12)水前寺せり、13)熊本いんげん、14)熊本黒皮かぼちゃ、15)水前寺のりです。
 名前と、どのような野菜なのかイメージできない人もおられると思い、少し説明をしておきます。『水前寺もやし』は、小粒のダイズから作るモヤシで、年末に収穫します。栽培場所が水前寺の湧き水を使うので、収穫の時、雪が降っても水は15℃ぐらいで暖かいそうです。『熊本長にんじん』は、太さ2cmぐらい、長さ1.2mぐらいの、赤いゴボウの様なニンジンです。縁起物の正月野菜です。『ひともじ』は、香りのある細ネギで、ワケギに似ています。『ずいき』は、サトイモの茎です。細川藩が将軍家に献上し、また、加藤清正が保存食として熊本城に備えたといわれる熊本の歴史を物語る野菜です。『れんこん』は、郷土料理の辛子蓮根(からしれんこん)に代表される、初代藩主細川忠利公にまつわる野菜で、切り口が細川家の九曜の紋に似ていること、「先が見通せる」ということで縁起が良い。春日ボウフラは、カボチャで、おてもやんに登場します。芋の芽(赤芽みやこいも)は、サトイモの芽。他はわかりますね。

 暑くなると、冷たい飲み物が恋しくなり、つい沢山取ってしまいます。胃腸の弱い人が冷たいモノを取り過ぎると、胃腸がさらに弱り“夏バテ”になります。たまには温かい飲み物を飲む等、胃をいたわって下さい。
 また、夏は、辛いものが良いと、トウガラシを取り過ぎると、これも胃を弱らせます。 冷たいモノ、辛いもの、甘いものの取り過ぎは、胃を弱らせ、夏バテの原因になります。御注意を!!


どれでも、ご自由にご利用ください!
"2011年7月カレンダー ミント""2011年7月カレンダー ひめゆり" 
"2011年7月カレンダー はなしのぶ"  "2011年7月カレンダー 滝"


写真(2011年6月薬用植物園、3月ベトナム 撮影)
(資料,写真・文章責任 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター
Medicinal Plants Eco-Frontier Center(Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野) 
矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種),(変更日:2011.6.30)
 
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, from 8, May, 2004



 
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