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2009年4月
トキワマンサク(Loropetalum chinense)
マンサク科 (Hamamelidaceae)
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『一人でも 理解者が居れば それで良い 人を助ける 道をいく』(河童)
トキワマンサクが今年は早々と満開です。花が上向きに咲くので管理棟2階のベランダから見ると綺麗です。トキワマンサクも薬用として用います。生薬では”花を繼花(けいか)”と言い、性質は平、味は微甘渋で、暑さを清めて解熱、止咳、止血を目的として、咳嗽(がいそう)、喀血(かっけつ)、鼻血等に。”根を繼花根(けいかこん)”と言い、性質は微温、味は苦渋で、咳血、歯痛等に、”葉を繼花葉(けいかよう)”と言い、涼、甘苦で、清熱し止瀉、止血等で、暑気あたりによる下痢、生葉をつぶして傷に塗り止血に等に用いられるようです。
今月の薬用植物”2005年3月マンサク”と似た使いかたもします。マンサクは、3月末に久住山に登った時に満開でした。
修士論文、博士論文の発表会を聴いていると、全ての病気が治るのかなと錯覚します。卒業する学生さんが社会で素晴らしい薬を作ってくれるのだろうと期待して、発表を聴いてきましたが、病気は減りませんね。何故でしょう。西洋医学、西洋薬 の考え方は指導であり、こうすれば治るとの押し付けが多く、西洋薬には身体を冷やす薬が大変多いからではないかと思いました。
それと比較して、漢方は、人の身体を観察して4000年、そして今も使われている薬が漢方薬です。漢方は四診という、「望(見る)」、「聞」、「問」、「切(触る)」があります。切診は薬剤師は出来ませんが、”相手を良く見る(観察する)、話をゆっくり聞く、よく問う”ことをきちんとすることがこれからの医療には必要ではないかと思います。更に、漢方薬の得意とする身体を温める薬の併用が西洋薬の効力を上げる上で必須ではないかと考えます。漢方薬はDDSの観点からも素晴らしい処方です。
ただ、漢方薬は科学的に分かっていないことが多すぎますね。これからは”漢方を科学する”ことで、少しでも役に立てばと考えています。
写真(2009年4月2日、薬用植物園にて) (資料,写真・文章責任 薬学教育部附属薬用植物園 Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants) (薬用植物・生薬学分野) 矢原 正治(専門:薬用植物学、生薬学、漢方、民族植物学、環境保全・育種),変更日:2009.4.2)
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