熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
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2005年3月

マンサク(Hamamelis japonica)
まんさく科 (Hamamelidaceae)


『黄砂来てオウレンの花咲く足元に』(河童)

 冬枯れの木立の細い枝から赤茶色の蕾が顔を出し、マンサクが、いつの間にか、黄色い花を咲かせていました。2月末の、春一番の雨に打たれ下を向いていますが、3月に入ると満開になり、天気が良くなると、花弁が少し上向きになります。
 農業公園の植木市も2月21日で終わり、白川河川敷の植木市が本番です。フキノトウも少し顔をのぞかせ、私のデスクの前にあるヒヨドリの大好物のイヌビワの実も残り少なくなってきました。ヒヨドリは、膨らんで蜜を持ったコブシの蕾をつつきに来ているのでしょう。足元に目をやると、オウレン、ホトケノザ、ノゲシ、チチコグサ、オオイヌノフグリ、オニタビラコ、ナズナ、ハコベ、ウシハコベなどの花が咲きだしました。日に日に、草が大きくなってきます。一年草と言われている草で、冬を越す草が増えてきました。耐寒性がついたのか?、暖かくなったのか? 今冬はある程度は冷え込んだのですが、木陰などで霜を避け、巧く越冬している植物を観かけます。

 今月は、マンサクです。花が終り、その後出てくる葉を、収斂(シュウレン)、止血、湿疹、止瀉(シシャ)の目的に用います。又、葉にはタンニンを含んでいますので、痔の座薬や湿疹に軟膏として持います。使い方は、カビが生えないように注意し乾燥した葉を、一日約5g、水400−500mlで煎じ、半量として、それを服用します。
 薬用植物園には白い花を咲かせるトキワマンサクが、管理棟の前にあります。4月末から花を咲かせます。奇麗ですよ。
 本館の西にある、オガタマノキも花を咲かせています。オガタマノキの花を観ると、昨年亡くなられた後藤先生がミカドアゲハを追って網をかまえていた子供のような姿を思い出します。今年も一杯花が咲くでしょう。
 マンサクの名前の由来は”まず咲く”から来ているとも言われています。春が近づくと枯れ木の中に黄色い花をいち早くつけます。4枚の細い花びらがあり、茶色の萼片と美しいコントラストをかもし出します。南九重の佐渡窪に行けば野生のマンサクが見られます。3月半ばから4月始めでしょうか? 3月は、フクジュソウくも仰烏帽子山等の脊梁の山々に咲きます。


写真(薬用植物園 2005.2.26 撮影)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部・付属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)・矢原 正治,2005.2.28)
 
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, from 8, May, 2004



 
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