熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
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2009年2月

ダイウイキョウ(Illicium verum Hook.f.)
シキミ科 (Illiciaceae)




『体調悪けりゃ 薬局へ まず相談 健康で お金余って 楽しい生活(字余り』(河童)

 熊本の植木祭りも1/24から始まり、春節(1/26)も過ぎ、薬用植物園ではリュウキンカが黄色い花を咲かせています。暖かいのですね。ロウバイは満開を過ぎメジロも少なくなりました。ヒヨドリがタラヨウの実まで食べてしまいました。スイセンの甘い香りが漂っています。今年は氷もはらない日が続いています。しかし風邪(かぜ)、インフルエンザは流行ってますね。インフルエンザウイルス陰性の高熱の風邪も流行しています。高熱が出るのに、インフルエンザではないので、幼児に解熱剤の坐剤も出さないようです。今年のインフルエンザのソ連A型ウイルスには肝心のタミフルが効かないとか?。使い過ぎや、使い方が悪いのでは?。
 今月の薬用植物はインフルエンザの特効薬といわれている”タミフル”の原料植物の”ダイウイキョウ”です。暖かい地域の樹木ですので、日本では屋外では生育しないので、植物園の温室にあります。ダイウイキョウの果実は”八角、大茴香”といい、中華料理の香辛料として用いられますので、用いられているので,ご存知の方も多いと思います。
 薬用としては、乾燥した果実を”大茴香(だいういきょう)”と言います。性質は温、味は辛甘で、身体の中(臍より上のお腹)を温め、寒を除き、気を調える効果があるとして、中寒嘔逆(お腹の冷えで嘔吐・逆流する症状)、腎虚腰痛[腎が弱り腰が痛い症状(ここでの腎は漢方の腎で、腎臓とは違います)]等に用います。普通は薬用ではなく、食用として果実を用います。独特のあまい香りがしますので、中華料理の味を引き立て、身体を温めてくれる効果がありますね。
 大茴香(ダイウイキョウの果実)に似た果実をつける有毒植物が日本にあります。同じ科の”シキミ”です。土葬の時代、動物が掘り返すのを防ぐために、ヒガンバナと一緒にお墓の周りに植えてありました。果実は大変良く似ていますので、同じものと思って食べると命を落とすことになりますので、くれぐれも御注意下さい。

 食品には、温性、寒性、平などとあり。食材により温める、冷やす、変化無いの性質・作用があります。例えば、スイカ、メロンは寒性で、身体を冷やします。ショウガは温性で、身体を温めてくれます。冷え性の方はショウガを毎日少しずつ飲食するのも良いでしょう(但し、多飲食すると胃を痛めますので、御注意下さい)。

 夏の野菜果物は寒・冷の性質が多く、冬のものは温の性質があります。野菜・果物の旬が無くなった昨今、昔ながらの経験的な言い伝えをもう一度大事にしては如何でしょうか?
 寒い冬は汗をかきません。身体に毒(本来は排泄したいもの)が溜まる傾向になります。たまには運動する、鍋を食べて汗をかく、煮て緑黄色野菜(葉っぱ)を沢山食べ・そのスープを飲む、ウンチはきちんと出す等を心がけると、アレルギー等も少しは良くなるかもしれません。安あがりの健康法を試してみてください。(運動しない、夜遅く、不養生な生活をしている者より)

[安上がりの健康法の提案] 
 1)サツマイモ(規格外が安くて繊維が多い)を、毎日、約50g(卵の大きさ)を食べる。腸内のビフィズス菌が増え、便通が良くなり、屁も臭くなくなる(ビフィズス菌が増えると屁が臭くなくなる。焼き芋食べて屁が出ますが、臭いですか?)サツマイモを皆さんが食べ健康になると、栽培面積が増え、熊本の地下水の窒素(総窒素)の量が減り、美味しい水が飲めます。御協力下さい。
 2)小魚とシイタケ: 日本人はカルシウム不足になりがちです。何故なら毎日軟水を飲んでいるからです。昔の人は、お金が無かったので、小魚を骨まで食べ、カルシウム、コラーゲンを取ったいました。安上がりのカルシウム補給、骨粗鬆症予防に、出汁用の小魚を少し火であぶり、それに陽で干したクズのシイタケを加え、粉にして、味噌汁、スープ、ふりかけ等で毎日食べますと、骨が強くなるかもしれません。お試し下さい!!


写真(2009年1月15日、富山大学薬用植物園にて)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部附属薬用植物園
Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)
(薬用植物学分野)  矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、民族植物学、環境保全・育種),変更日:2009.2.3)
 
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, from 8, May, 2004



 
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