熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
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2008年1月


たびらこ(Lapsana apogonoides
きく科(Compositae)

新年 明けまして おめでとうございます。
 今年もよろしくお願いします。

 今年の目標 ”笑い,あいさつ,基本”


『初日の出 霜柱踏み 阿蘇白く 今年の幸を 白金にてらす』(河童)

 菊陽町の温泉”さんさんの湯”の近くから撮影した,1月2日の阿蘇の写真です。31日から降った雪で山頂は20cm位の積雪です。左に3基,右に10基の風力発電のプロペラが全部回っていました。今年は縁起がいいな!!

 踏まれても踏まれても,どこかで生きていく春の七草の雑草たち,その中のホトケノザの名前で呼ばれている”タビラコ”です。漢字で”田平子”と書きます。 田の稲が無くなった後の地面にヒトデのように葉を広げ,中央に黄色い花を旧暦の正月(2月初旬)過ぎに咲かせます。本当の ホトケノザ  は,右の写真の植物です。ホトケノザは,この寒い中,双葉から本葉を出して地面にびっしり生えています。
 春の七草は全て薬草で,タビラコは,全草を,解熱(げねつ),解毒(げどく),潰瘍(かいよう)等に用いると書いてあります。私は実際に用いたことがないので分かりませんが,如何でしょうか?

 冬は乾燥して肺を痛め,咳が出て,風邪にかかりやすくなります。大根,唐辛子等の”辛い”ものは,肺を補います。しかし,摂りすぎると肝(肝臓)に障害が起きる可能性があります。そこでゴボウ,お茶等の”苦い”ものを一緒に飲食することで作用を緩和すると言われています。五味[酸,苦,甘,辛,鹹(塩)]の入った正月のお節料理は五臓五腑に良いですね。
 漢方では,肺と大腸はつながっているとされ,肺が痛むと大腸の調子が悪くなり,下痢,便秘を起こすことがあります。下痢の時は”五苓散”をお試し下さい。五苓散は頓服で効きます。便秘症の方は”唐芋(サツマイモ)+ヨーグルト”を,毎日少しずつでもお試し下さい。唐芋は,焼き芋または蒸し芋をサイコロ大に切ったものを入れると良いでしょう。私はカバンに五苓散と葛根湯を入れています。調子が悪いと思ったらすぐ飲めるような”お守り”です。
 ところで,正月ごちそうを食べ過ぎ,運動不足で,便秘だったり,臭〜いウンチが出ていたら食養生が必要です。良いウンチは,余り臭くなく,少し酸っぱい(大腸に乳酸菌,ビフィズス菌の多い)臭いのする,バナナ大の,黄色味のあるものです。良いウンチが毎日出るよう,七草(1月7日)の日から変身しましょう。
 また,噛むことの咀嚼(ソシャク)は,ボケ予防,高血圧予防,体脂肪減少等にも効果があります。少し堅いものを良く噛んでゆっくり食べましょう。ゆっくり噛んで味わって,元気(普通)で長生きしましょう!!
 昨年のように”偽”ではなく,今年は,人を信じることができ,心身ともに,一年が良い年でありますように祈念しています。

禁煙は愛です  

植物保護の園として”植物園の保全活動に対する国際アジェンダ”に登録しました。植物園自然保護国際機構(BGCI)から プレートを頂きました。  

写真(2006年2月,薬用植物園温室) (資料,写真・文章責任 薬学教育部・附属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)(薬用植物学研究室)  矢原 正治,2007.12.31)
 
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, from 8, May, 2004



 
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