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研究成果

海綿の成分であるマンザミンA(アルカロイドの一種)を病態マウスに3ヶ月間経口投与することにより、マウスの血中脂質濃度が低下し、動脈硬化病変の面積が半分に減少することを明らかにしました(天然薬物学分野、Bioorg. Med. Chem. に発表)。

マンザミンAは細胞毒性物質として1986年に海綿から発見され、これまでに80種類以上の類縁化合物が発見されています。マンザミンAは、細胞毒性を初めとして多くの生物活性(抗菌作用、抗ウイルス作用、抗マラリア作用、抗炎症作用など)を示すこと、さらに非常に複雑な構造を有するということから、多くの合成化学者や創薬研究者の注目を集めてきました。天然薬物学分野の塚本教授のグループは、医学部の細胞病理学分野との協同研究により、天然資源から動脈硬化症を予防・改善することのできる化合物の探索を行っています。今回、スクリーニングにより活性を示した海綿の抽出物から目的の化合物を単離し、マンザミンAであると同定しました。そして、マンザミンAを病態マウスに3ヶ月間経口投与したところ、マウスの血中脂質濃度が低下し、動脈硬化病変の面積が半分に減少することを明らかにしました。
マンザミンAは、これまでに報告されている動脈硬化治療薬とは化学構造が異なることから、今後の治療薬の開発に貢献することが期待されます。
 

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