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研究成果

創薬・病態解析・治療法の開発に有効な抗体の分子工学研究が展開中(生命分析化学分野)

生体内で、異物を認識するタンパク質である抗体。抗体分子のうち、抗原(異物)を認識する場所が可変領域(Fv領域)といわれる部分です。このFv領域に着目します。Fv領域は、分子量の小さいL鎖由来のVL部分と、分子量の大きいH鎖由来のVH部分の2本のペプチドから成ります。この2本をリンカー(十数個のアミノ酸からなるペプチド)でつないだ、一本鎖抗体を遺伝子組み換えの手法を用いて作製します。一本鎖抗体は、本来の抗体よりも分子量が小さいため、細胞内に速やかに入っていき、その効果を発揮します。低分子量という性質は、解析が容易で、薬として応用する際には安価に製造できるという利点もあります。
一本鎖抗体の大きな特徴は、抗原を認識する、つまり標的分子をとらえることができる(ターゲティング)機能をもつタンパク質であるということです。抗原が病気に関与する物質である場合、一本鎖抗体は、その病気にかかっているかどうかの診断(病態解析)や、その分子のはたらきを抑える薬としての利用につながる可能性があります。

 

130602熊薬大学院説明会生命分析.pdf

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