熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ミカン科
Rutaceae
ポンカン
Citrus reticulata Blanco
ポンカン
写真をクリックタップすると、大きいサイズで表示されます。
  • ポンカン
  • ポンカン
英名
ponkan
中国名
柑橘
花期
4~5月
生薬名
①陳皮(チンピ)【局】,②青皮(セイヒ)
薬用部位

①成熟果皮,②未熟果皮

成分

①にモノテルペン((+)-limonene, linalool),フラボノイド(hesperidin, naringin, poncirin)

化学構造式

画像をクリックタップすると、大きいサイズで表示されます。

  • ポンカン 化学構造式1
  • ポンカン 化学構造式2
  • ポンカン 化学構造式3
  • ポンカン 化学構造式4
産地と分布

インド北部の原産で,日本,中国南部,台湾のほか,南アジア,東南アジアなどで栽培される.

植物解説

常緑小高木.樹高3~4 m.枝葉軟弱で刺針があるか,ときに無刺.葉は互生し,披針形から楕円形で長さ4~11 cm,漸尖頭微凹端で全縁か不明の波状鋸歯縁.枝端と葉腋に帯淡紅白色花を1~数個付ける.液果は扁円形で黄色か橙黄色で径4~7 cm.

薬効と用途

成熟果皮には健胃作用があり,食欲不振,消化不良を改善する.鎮咳去痰作用もある。漢方処方には,六君子湯,平胃散,補中益気湯などに配合される.未熟果皮は胸や脇の張った痛み,肩や乳房の痛み,消化不良による下腹部痛などに用いる.

ウンシュウミカンよりも寒さに弱い.

参考文献についてお知りになりたい方はお問い合わせください。