トウダイグサ科
Euphorbiaceae
キャッサバ
Manihot esculenta Crantz
- 別名
- イモノキ
- 英名
- cassava, manioc, sweet-potato tree, tapioca, yuca
- 中国名
- 木薯
- 花期
- 不明
- 生薬名
- ①膠飴(コウイ)【局】
- 薬用部位
①デンプンを加水分解し糖化したもの,②根
- 産地と分布
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メキシコ西南部,グアテマラおよびブラジル北西部の2地帯が原産とされる.
- 植物解説
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短年性低木.樹高1~5 m.根は芋状に肥大し多数分岐する.葉は大きく,葉柄が長く,葉面は掌状に深く切れ込む.花は総状に付き,上方に雄花を,下方に雌花を付ける.萼は5深裂し,黄色または赤黄色,花弁が無い.雌花は雄花より数日早く開花する.ベトナムやカンボジアでの調査によると,平地の畑では開花しないが,山間地や高原地帯の畑では秋の乾季に開花していることが発見された.
- 薬効と用途
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青酸配糖体の含有量の違いにより,苦味株(0.02~0.04%)と甘味株(0.007%)に分けられる.苦味株の根は疥癬,下痢,赤痢の治療に用いられる.根のデンプンを加水分解し糖化したもの(膠飴)については健胃,強壮作用があり,小建中湯や大建中湯などの処方に配合される.膠飴の基原植物にはほかにトウモロコシ,ジャガイモ,サツマイモ,イネがある.
熱帯低地で重要な食用作物.十分に加熱し青酸配糖体を抜いて食する.食べ方は様々で,焼いたり水煮にしたりするほか,粉末を練って土器に張り付けて焼きケーキに加工したり,油で揚げたり,臼でついて餅状にして団子を作ったりする.キャッサバから作ったデンプンはタピオカという.
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